京都御苑には約1,100本の桜が植えられているそうです。
その中でも名前の付けられた桜が幾つかあります。
3月27日、天皇、皇后両陛下が平成最後の京都滞在の際、散策観桜された
「近衛邸跡の近衛枝垂れ桜」はニュースで大きく報道されました。
枝垂れ桜ですので、開花宣言の標本木とは異なり、早咲きで既に八分咲きぐらい?
知る人ぞ知る桜の名所に行ってきました。
報道された後でもあり多ぜいの人が観桜に訪れていました。
此処でも「インバウンド」が溢れ、「日本の桜」を満喫し携帯写真を…
以前は無かったのに…SNS、インスタで桜を独占?…
御苑の桜
京都御苑では、四月になるとたくさんの花が咲きます。
もっとも多く見られるのがヤマザクラです。
この他に枝が垂れるシダレザクラ(イトザクラ)や
八重の花をつけるサトザクラがあります。
このあたりは、「近衛の糸桜」の由来にちなんで、
多くのシダレザクラが植えられています。
① 近衛邸跡の枝垂れ桜
② 出水の枝垂れ桜
③ 江戸彼岸系
④ 桜松
⑤ 車返桜
⑥ 大島桜
⑦ 山桜
⑧ 霞桜
等が案内図に紹介されています。
① 近衛邸跡の枝垂れ桜
近衛邸跡
このあたりが近衛家の屋敷のあったところです。
近衛家は五摂津家の一つで、江戸時代末までに
多くの人が摂政や関白になっています。かっては、
この庭園の西側に大きな屋敷があり、御所炎上の
際には仮の皇居にもなりました。
池のほとりは、昔から糸桜の名所で、孝明天皇も
次の歌を詠まれています。
「昔より名にはきけども今日みれば
むべめかれせぬ糸さくらかな」
右側は池なのですが水は無かった…
桜の花に「シジュウガラ」が…
② 出水の枝垂れ桜
京都御所の南西部、出水の小川の近くにあり
早く咲き始めるのが「出水のしだれ桜」です。
京都御所の南西部、出水の小川の近くにあり
早く咲き始めるのが「出水のしだれ桜」です。
③ 江戸彼岸系
御所北東部、石薬師御門近くで咲いていました
御所北東部、石薬師御門近くで咲いていました
④ 桜松
御所建春門の向かい辺りにあります
御所建春門の向かい辺りにあります
学習院発祥の地
1779(安永8)年閑院宮家出身で皇位を継いだ光格天皇は、学問を大切にし、
公家の教育振興に取り組みました。次の仁孝天皇在位中の1845(弘化2)年、
幕府から学習所の設置が認められ、孝明天皇在位中の1847(弘化4)年、
この地に開講しました。公家や御所に勤める役人たちとその子弟に、漢学と
和学を教えることとし、1849(嘉永2)年、孝明天皇より「学習院」の額
(勅額)が下賜され校名が定まりました。
明治に入って京都の学習院は廃止されますが、1877(明治10)年、東京に
開業した華族学校へ<明治天皇から改めて勅額が下賜され、学習院の名が
受け継がれました。現在の学校法人学習院は、このときを創立としています。
マツに生えたサクラ
この倒れた木は「桜松」と呼ばれ親しまれています。
桜松は、クロマツの樹上十数メートルの所にヤマザクラが生育し
ていたものです。平成8年4月17日にマツが枯れ倒れてしまいましたが、
サクラはマツのの空洞を通り地上まで根を下ろしていたため、今も
多くの花を咲かせ続けています。
当時、マツの樹齢は約100年、さくらは約40年と推定されていました。
学習院発祥の地のすぐ傍に桜松
未だちらほら咲き始め…
⑤ 車返桜(くるまがえしざくら)
御所宜秋門の西、中立売御門近くにありました
車返桜
「車返桜」は、サトザクラの一品種の「御所御車返し(ごしょみくるまがえし)」です。
花は八重咲で、よく混同される「御車返(おくるまがえし)」は、
「桐ケ谷」とも言われる別品種です。
車返桜は、後水尾天皇が外出された時に、あまりの美しさに御車を
返され鑑賞されたことから、この名が付けられたとされています。
花は未だ蕾堅し…
早い時期の御苑のサクラは、近衛邸跡周辺の枝垂れ桜が中心なのでしょうね。
おまけになりますが…
「御所」は「宮内庁の管轄」で「御苑」は「環境省の管轄」です。
御苑の中に「皇宮警察本部 京都護衛署」がありましたが、
そこの「平安の庭」(中には入れませんが外からは見えます)の枝垂れ桜もきれいでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます