パパとりの雑記帳

酉年生まれの後期高齢者。健康不安を抱えながら、新聞、TV等からの情報を元に、好奇心に駆られて、近郊の社寺を中心に散策。

戸津説法聴聞

2017年08月23日 | 日記
毎年、8月21日から25日まで滋賀県下坂本「東南寺」で「戸津説法」が行われています。
天台宗(総本山・延暦寺)の高僧が5日間にわたって法華経を講説する伝統行事で、重要な行事の一つとされ、
天台座主への登竜門とされています。


「戸津説法のしおり」

いただいた、「しおり」によると
『戸津説法は、宗祖伝教大師が比叡山の守護神山王権現の顕彰のためと、
母君妙徳夫人、父君三津首の回向のために、比叡山山麓に東南寺を建立され、
追善追福のために「法華経」を講義し、更には地元の善男善女のために
正法を教化する目的で説法がはじめられたと伝えられています。』

戸津とは東南寺のある、下坂本の地名に因んでいます。
このあたりは「戸津(富津)、今津、志津」といわれ、そこから総称して「三津浜」と呼ばれていました。
大津市唐崎1丁目の唐崎神社付近から、下阪本6丁目の大宮川辺りまでの約2kmほどの浜の古名です。
また、御津浜とも書くことから、成務天皇の高穴穂宮の津(港)があったともいわれています。
戦国時代には明智光秀により、坂本城が建てられ場所でもあります。


説法の行われている本堂は僧侶、関係者で埋め尽くされていました。


本堂正面


ご本尊は「釈迦如来・阿弥陀如来」  山門から見た本堂側面

  
鐘楼と宝塔 (「坂本城の二の丸跡」と言われています。)


積み上げられた石仏群   地蔵菩薩像

坂本城落城のときに討死した
城主の明智一族とその家来たちの供養塔(首塚)もあるそうですが…
境内は聴聞参拝者用のテントが張られ写真は撮れませんでした。


「三十三間堂仏教文化講座」一行は、バスでご案内頂きました。


記念色紙「忘己利他」
(伝教大師の「山家学生式」の言葉)

今年の説法師は
「神奈川教区圓満寺 西郊良光住職」
今回の聴聞は、「三十三間堂仏教文化講座」の案内で参加させて頂きました。

戸津説法の日程・内容について
第一日目 8月21日 開闢 「法華経」の概要と開経である「無量義経」の説法
第二日目   22日    「法華経」一の巻から四の巻までの説法
第三日目   23日 中日 「法華経」五の巻から七の巻までの説法と施餓鬼法要
              午 後 地蔵盆で「地蔵経」を中心とした説法
第四日目   24日    「法華経」八の巻、「観世音菩薩品第二十五」を中心とした説法
第五日目   25日 結願  結経の「観府県菩薩行法経」についての説法、続いて放生会

聴聞した説法の内容は第二日目です。
「法華経」一の巻から四の巻までの主要点と、師が訪問された東南アジアでの諸事情、
韓国の天台宗等宗教事情について交えての話はとても分かり易く、また興味を抱きました。

とりわけ、タイの「プラテイープ財団」の活動の話は、より多くの日本人にも届けないと…。
タイ北方民族、集落の教育支援活動のことは素晴らしい。
女性が教育を受ける権利を訴え続け、史上最年少のノーベル平和賞受賞者となった
16歳の少女、マララ・ユスフザイは世界に衝撃を与えました。また、
TV番組で見た映像ですが、山や谷を越え20Kmの道を通学する子供達の姿も衝撃的でしたが…
タイでの就職と学歴差別、スラム街生活を余儀なくされる子供達…貧しい地域の子どもや青年たちに
教育の機会を与え、健全な生活を送るために技術や職業訓練を促進する活動を行っている
「プラテイープ財団」と支援される師の活動と「一隅を照らす」運動を関連させ、さらりと話される
実践家ならではと感動しました。
最近はあまり耳目に届きませんが、TV番組で「学校を建てる…」のを見たことがありましたが、
日本のNPO団体でカンボジアに学校を建て続けているところもあるようです。
タイのこの財団では「寄宿舎」を建て通学難の子供達に教育環境の支援を進められているとか。

師の話された財団を少し調べてみました。
「プラティープ財団」は、スラムの救済を目的に設立された財団で、数多くの事業に取り組んでいます。この中、教育里親プログラムでは、スラム地域の子どもたち約2,000人に学資援助をする一方、これまで地方農村部の貧しい子どもたちに対して奨学金を授給して来ました。
しかし、その資金援助の中心であったフランスとスウェーデンによる支援契約が1995年12月末日で満期となり、 事業の存続にかかわる問題となりました。この時のプラティープ財団の調査では、幼稚園児538名、小学生104名、中学生28名、高杖生5名、専門学校生11名、大学生3名の計689名が直接影響を受けたということです。

この教育里親プログラムのほか、財団では青少年、保護者、地域社会の教育と開発を目指して様々な事業を展開しています。
主な事業としては、麻薬中毒に苦しむ青少年を中心とするスラム青少年の更生と自立を目指すニューライフ・プロジェクト(男女それぞれの施設を運営)、高齢者福祉プログラム、スラム児童芸術振興プログラム、女性開発プログラム、スラム地区託児センター事業、エイズ対策プログラムなどで、中でも青少年の自立を目指すニューライフ・プロジェクトには1988年以来、天台宗並びに一隅を照らす運動総本部が援助を続けています。
タイの南部チュンポーン県にあるニューライフ・プロジェクトの施設には、首都バンコクのスラム地域に生まれ、恵まれない家庭環境ゆえにストリート・チルドレンとなった子どもや、麻薬・シンナーなど非行に走った子どもたちを収容し、集団生活の中で更生に導くと共に、農園実習や職業訓練を通じて社会復帰を目指し、多くの青少年が生活しています。

そしてこれまでに施設を巣立った青少年のほとんどが立派に社会復帰し、活躍しています。
この施設には、比叡山延暦寺から援助された「ともしびの館」が建設されていて、毎年視察団が訪問して青少年との交流を重ねています。
1996年には、念願であった、非行に走ったり、麻薬中毒に犯された9~20歳の少女達の更生施設をカンチャナブリ県に開設。少女達が自分自身の行き方を見つけ、社会に適応できる人間に育てることに心血を注いでおられます。

ところで…財団の名称ですが社会福祉活動家の「プラテイープ女史」によるもので、女史は日本人の社会福祉活動家「秦辰也」氏と結婚されています。

戸津説法から脱線してしまいましたが、戦後72年経ち世界に並び立つ国となれたのは「教育」に恵まれたお陰であろう思われますが、日本では、当たり前の教育が、まだまだ環境が与えられない国もあることを再認識しました。

天台宗と「一隅を照らす運動」総本部で展開されている活動に、今一度認識を新たにしました。
難しい教義は教義として、教義を実践することにより学ばなければならないものがあると痛感し、
「説法聴聞」の私の成果といたします。


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ケーブルカー

2017年08月15日 | 日記
鞍馬寺と延暦寺を参拝する際、多くの参拝者が利用するのがケーブルカー。
鞍馬寺の竹伐りには鞍馬のケーブルで登り、徒歩で下山。
子供の頃は、比叡山には出町から「叡電」で八瀬へ、ここからケーブルで山頂まで登りましたが、
最近は、殆どマイカーで行っています。
久しぶりに、京都駅から路線バスで、山中越え経由で延暦寺バス停まで登り、
帰路は、60年振りに延暦寺からケーブルで坂本に降りました。

面白いのが、この2つが日本最短と最長のケーブルカーであること。

鞍馬寺 鞍馬山鋼索鉄道     全長 191m 所要時間 2分 高低差 89m 1957年開業
    (鞍馬ケーブル)    (日本一長短い)

延暦寺 比叡山鉄道株式会社 全長 2025m 所要時間 11分 高低差 484m 1927年開業
    (坂本ケーブル)    (日本一長い)

近畿地方には、六甲山ロープウエイ、書写山ロープウエイ、比叡山ロープウエイなどがありますが、
この機会にケーブルについて調べてみました。意外に「日本一」なんですね。

参考1
比叡山 京福電気鉄道鋼索線 全長 1300m 所要時間 9分 高低差 561m 1925年開業
    (叡山ケーブル)                          (日本一)
参考2
生駒山 近鉄鋼索線    (全長 2000m 所要時間 12分)
    (生駒ケーブル)
     宝山寺線         全長 900m 所要時間 5分 高低差 146m 1918年開業(日本初営業)
     山 上 線         全長 1100m 所要時間 7分 高低差 322m

参考3
男 山 京阪鋼索線       全長 400m 所要時間 5分 高低差 146m
    (男山ケーブル)    
   (石清水八幡宮)



延暦寺駅  


駅名の表示も斜め

   
ケーブルカーの愛称は「縁」と「福」     乗車券
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ショクダイオオコンニャクの花

2017年08月03日 | 日記
世界最大級の花とされ、強烈な臭いを放つ「ショクダイオオコンニャク」が
8月1日、京都市左京区の武田薬品工業「京都薬用植物園」で開花したとの
新聞記事を見て早速観てきました。
開花は国内16例目で、関西地方では初とのこと。

 
武田薬品工業京都薬用植物園正面

 
公開場所の案内      本館建物玄関先に展示されていました

  
開花時が最大に開いており、少しづつ閉じて行くそうです。

 
少し上から撮りました。今日は3日目。公開は4日まで。

 
棍棒状の根本辺りに雄花、雌花が密集しているとのこと

  
例年の状態(パネルを写す)      1日の開花時の状態(パネルを写す)


強烈な匂いに何処からか集まって来た虫(ハエ)
50匹以上にもなったそうです(パネルを写す)。


説明の掲示


係りの方の説明では、平成5年から栽培を始め、初めて咲いたとのこと 。
花は最も高いところで地表から約1.1mの高さにまで成長する。
肉が腐ったような強烈な臭いを放ち、受粉に必要な虫をおびき寄せる。
7年に1度しか咲かないと言われ、
いったん開花すると急速にしおれるため、公開は4日までですが、
厳密には、開花期間は2日間らしいです。
この大きな花を咲かすエネルギーの蓄積に7年を要する…2日間のために…。
臭いが凄いと聞いていたのですが、開花時は強かったが、3日目で余り感じなかった。
インドネシアのスマトラ島に自生するサトイモ科の植物で、絶滅危惧種に指定されている。
花名前の由来は、ろうそくを立てる燭台に似ていることによる。(「燭台大蒟蒻」)

強烈な腐臭と大きな花と言えば「ラフレシア」が有名ですが、
それを凌ぐ世界最大級の花が、「ショクダイオオコンニャク」になります。

今回は「ショクダイオオコンニャク」だけの公開でしたが、年数回施設の公開があるとのことで
是非、多くの草花を観てみたいと思いました。

武田薬品薬草植物園PF




サトイモのおまけ…
里芋は食べますが…花は?見た記憶がありません。

元々花が咲くことが珍しいとのこと。
東南アジアなど暖かい土地が原産のサトイモ類は、
日本が生育の北限といわれていて気候条件から、
日本で花をつけるのは比較的珍しい
花期は日本では10月頃、希にしか咲かないという
日本では花が咲いても、秋の気温低下のため種はつきません。
温暖化が進むと花の咲く確率が上がるかも…。
しkし、花の開花は1日だけ。
内巻きの細長い仏焔苞の淡黄色の珍しい花です。
うす黄色の花びらの中に雌しべが隠れていて、
花は、甘い匂いを放つそう。
水芭蕉にも似ています。
サトイモは117属4000種あると言われていますが、
馴染み深い花は、いずれも共通点が見られます。
  
水芭蕉(六甲山植物園2015.4.17)
 

座禅草


参考(ウィキペデイア)
サトイモ科 (Araceae) は、オモダカ目を構成する科の一つである。
温暖で湿潤な環境を好み、湿地や沼地に生育するものも多い。
花軸に密集した小さな花(肉穂花序)と、それを囲むように発達した苞(仏炎苞)が特徴。
サトイモやコンニャクなど、食品として重要なものも多いが、
美しい葉や花を観賞するために栽培される種も多い。
サトイモ科の植物は、花に大きな特徴がある。
花そのものは小さく、花びらがあっても目立たず、花びらがない場合もある。
雄花と雌花に分かれているものもあり、いずれにしても、個々の花は小さく、目立たない。
花は肉質の太い柄の上に一面に並んでつき、肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれる。花
は穂全体に着くものが多いが、穂の先端に花のない部分(付属体)があって、さまざまな形になるものもある。
穂の根元からは苞が出る。
サトイモ科の植物では、多くの場合、苞が単純な葉の形ではなく、花の穂を包むような形になって、
特別な色を持ち、目立つものが多い。
言わば、花びらの役割を担っている。このような苞を仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ぶ。
仏炎苞の袋状の部分を筒部、筒部の上部で長い舌のように伸びる部分を舷部と呼ぶ。
このような構造を取る理由としては、花に寄ってくる昆虫を内部に閉じ込めることで、
滞在時間を長くして受粉の確率を高めていると考えられる。
なお、東南アジア産のコンニャクの一種、「ショクダイオオコンニャク(Amorphophallus titanium)」は、
花序の先端までが3mにも達し、花序としては世界で一番背が高いと言われる。







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