パパとりの雑記帳

酉年生まれの後期高齢者。健康不安を抱えながら、新聞、TV等からの情報を元に、好奇心に駆られて、近郊の社寺を中心に散策。

妙法院仏教文化講座

2015年01月29日 | 日記
妙法院第479回仏教文化講座を聴講してきました。
講師は、菅原信海門主で、「江戸初期の天台僧慈性」
開講の前に、蓮華王院「三十三間堂」で読経があります。
お経の本を、お借りして、千手観音の内陣に入れて頂き
執事長を導師に、皆で観音経、般若心経を読経。

妙法院本坊へ移動して、いよいよ開講です。
浅学の者には、余り耳慣れない「慈性」という僧。
先ず、その生い立ち、経歴の紹介がありました。
名門、日野家の家系図でその位置付けがなされ、
名門の出であるが故か、
かの有名な、「天海僧正」に従って「家康」に会い、
以後、天海と共に朝廷と幕府を結ぶキーマンになります。
若くして「青蓮院院家尊勝院」住持、
15歳で家康の命で「多賀大社別当不動院」を兼務。

そのキーマンが「慈性日記」を記していたのだから貴重な資料です。
慶長19年(1614)〜寛永20年(1643)ですから、秀吉の没後
大阪冬の陣、夏の陣を経て、徳川政権が発足した当時の時代背景や
多くの事柄、それに伴う天台僧侶の活動が詳細に記されているとのこと。

大阪冬の陣、夏の陣の頃、天海に従って、家康の御前での天台論議、伝授等に
20回近く行っていたりしている。伝授だけなら数日で終わるはずだから、
それは口実で、もっとキナ臭い遣り取りがあったのでは…と。

家康の神号について

 神君家康公
  唯一神道・明神号  (吉田神道)神龍院梵舜(豊国廟社僧) ← 金地院崇伝
  山王一実神道・権現号  天海    ↓
                   権現=諾尊いざなぎの尊・冊尊いざなみの尊
                   明神=相国官位相当

御前論議   喜多院・天海

  山王一実神道=本命元神=一切諸神は山王権現の分身なり
  山王三聖=大宮
       二宮
       聖真子    薬師  釈迦  阿弥陀
            山王権現 東照大権現 摩多羅神
                 (薬師如来)

東照 「東に照る」
       「天に照る」皇室の祖先神=天照大神=太陽的存在
       東から昇る ⇒ 天空に輝き ⇒ 天に照る
       徳川幕府の天下支配を込めた「神号」







   空 = 真    諦 = 仏の立場    仏 = 薬師如来(本地仏)

   仮 = 俗    諦 = 世俗の立場   人間= 家康(現世の英雄)

   中 = 中道第一義諦 = 真俗一如の立場 神 = 東照大権現(垂迹神)

         神君 ⇒ 「神」・東照大権現 = 「君」・君主(家康)

 

  

 
 阿弥陀如来・西方極楽浄土       東方薬師瑠璃光浄土・薬師如来
                                 ↓
              観世音菩薩              東     
              南方補陀落浄土

建仁寺塔頭・両足院

2015年01月27日 | 日記
過日、新春特別公開中とのことで拝観してきました。


メインは
①寺宝・伊藤若冲筆の「雪梅雄鶏図」
②昨年公開された、七類堂天谿筆の方丈(本堂)襖絵
伊藤若冲筆の「雪梅雄鶏図」は、何度か鑑賞したことがありますが、水墨画の中国伝統絵画「道釈画」家・七類堂天谿(墨呑)画伯による、襖絵は、初めてでとても興味を覚えました。

七類堂天谿(墨呑) しちるいどう てんけい
「天童第一座・第一七世雪舟」と称されているそうです。

天童第一座(首座)とは…
先ず天童寺について
中国浙江省・寧波市にある南宋五山の一つでアジア禅宗総本山に位置付けされ、伽藍は「永平寺」のモデルになっています。
日本の臨済宗開祖「栄西禅師」、曹洞宗開祖「道元禅師」、「雪舟」も天童寺で修行しています。
日本で山水画を極めた雪舟は、禅の修行をして浙派の山水画風に近い名画を描いて、明代憲宗皇帝に天童第一座を賜りました。
天童第一座(首座)は、この天童寺の高位の称号で、「天童首座(てんどうしゅそ)」の証として、これまで日本人では、「栄西」、「雪舟」に与えられたのみです。
雪舟没後五百周年の2006年に、寧波市で「雪舟圓寂500年式典」が開催され、「天童第一座」が七類堂天谿画伯に与えられました。

道釈画とは…
「道」は道教、「釈」は釈教即ち仏教を意味します。中国では古来,道教の仙人、高士、関羽など歴史上の人物、釈迦や観音、維摩、達磨など、宗教や人倫上 仰ぐべき人々を道釈人物といって尊崇してきました。
それらを画題とする絵画を道釈画と言います。 
七類堂天谿画伯は、仏教や神道などの尊像・祖師像を主題とする「道釈画」に独自の表現で新風を吹き込み、精力的に画作を続けています。

両足院の襖絵…
2014年、建仁寺開山の栄西800年遠忌に際し、両足院方丈の襖絵、腰襖など92面を5年の歳月をかけ水墨画で彩ることを計画、中国での伝統絵画「道釈画」の技法を持つ七類堂天谿画伯が制作にあたりました。
昨年、第一期分16面が完成。襖絵は、中央に花を手に説法する釈迦、右に建仁寺開山の栄西禅師と白象、 左に両足院開祖の龍山徳見禅師と獅子などが描かれています。
いわば、釈迦三尊像をモチーフに象に乗った普賢菩薩を栄西禅師、獅子に乗った文殊菩薩を龍山徳見禅師に見立てているそうです。
引き続き、隣接の茶室で第二期分を制作中とのことです。

因みに、両足院の由来の「両足」とは、仏の10の尊称の一つ「両足尊(別名・如来)」からとのことです。 (智慧を司る文殊菩薩、釈迦如来の慈悲行を象徴する普賢菩薩から智慧と慈悲の両方が足りているという意味)
 創建当時は知足院(ちそくいん)と呼ばれていたそうです。
     (写真は、堂内撮影禁止につき両足院サイトより拝借)