小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

研修主任!手を抜くな!動け動け!

2017-07-17 16:11:31 | 教師の仕事術の攻略法
まもなく本校では一回目の研究授業が行われます。
私は研修主任としてその準備を進めています。
授業者の先生三人にはすでに指導案など作ってもらっています。
そちらの授業の準備はもちろんですが、その授業の後にする研究会の方も準をしておかなくてはいけません。
最近はこういう場は「ワークショップ形式」でやるのが主流で、本校でもその形でやります。
これですると、進行や記録者、ファシリテーターなど細かなグループごとにたくさんの先生を配置することになります。
担当者がすべてを担うのではなく、多くの参加者で分担することでみんなが主体的に臨めるようにするというねらいも含まれています。

これにそって私も多くの先生に役目を与えた研究会の計画を立てました。
これ自体は大した作業ではありません。
係に名前を入れるだけですから。
そしてこの計画ができあがったとき、考えました。
(どれも大した役でもないし、依頼に行くこともないか… 行けばかなりの数になるし、面倒だもん)
ということで、じぜんの依頼を省いて、計画書を先生たちの机に配布しよう…

としたそのとき、
(…やっぱ行こう)
と手を止めました。
やっぱり係を割り当てた先生たちに事前の依頼に行くことにしました。
授業学級が3学級、それに伴う分科会が6つ、その6つごとに進行や記録などいくらかの係があるので、トータルではかなりの数の先生に依頼に行くことになります。
でも行きました。
「先生、すみません。今度の研究授業のときなんですけど…」
という感じで頭を下げながらお願いしました。
ちなみに私はまだこの学校で日が浅いので、シタッパです。
普段の私よりも低姿勢です。笑
すると、どれも大した役ではないので
「はいはい、いいですよ~」
と返事をもらえました。
中には
「そんなこと、わざわざいいのに。お疲れ様ね」
のような先生も。
そうして結構な時間を掛けて、役のある全員の先生への依頼を終えました。

依頼に行ったこちらとしては、
「丁寧に来てもらった」
という印象をもってもらえたことでしょう。
O.K.したあちらとしては
「快く引き受けてくれた」
という印象を与えたことになります。
結論、双方にとっていいことなんですね。
いわば、ちょっとした手間で築ける
「ウィンウィン」
の関係です。
簡単な依頼だからこそ、それを省かずに、メリットを求めて丁寧にすることの重要性だと思います。

「一つの花」私の下手な授業で起きた小さな奇跡

2017-07-15 15:44:49 | 授業中の攻略法
「一つの花」
への子どもたちの関心は高かったですね。
「なぜお父さんは『めちゃくちゃに』ゆみこを高い高いしたのだろうか?」
「なぜ『お母さんでしょうか』という書き方なのだろうか?」
こういう疑問が子どもたち側から出されて、それを検討するときは大いに議論が活発化されました。
もちろんその中では未熟な意見もたくさん出ました。
ここがこの教材と4年生のギャップだろうと思います。
しかし中には核心に迫るような発言もあったりして、そこでクラス中が息を飲むようなあの瞬間はたまりませんね。

特にインパクトが強かったのが
「なぜお父さんは『一輪だけ』コスモスを渡したのだろうか?」
という問いです。
安易に
・ゆみこがいつも「一つだけちょうだい」というから
・コスモスが一輪しか咲いてなかったから
のようなものも出されましたが、それは明らかな誤読ですので、私がやんわりと訂正しました。
そんな中に、ある子が私の所に来てこう言いました。
「先生、ぼくの書いたことと、けんたさんが書いたことが、そっくりでしたよ。」
私はよくやるのですが、自分の考えをノートに書けた子はそのノートを持って席を立ち、他の子と紹介し合わせています。
学び合いにもなるし、まだ書いている子との時間差を埋める手立てにもなります。
その活動の中で、この子は同じことを書いている子を見つけたそうです。
この子は、普段なかなか手のかかる子で、授業で活躍することはあまりない子です。
この子が「そっくりでした」と言った相手の子も同様の子でした。
ですので、とっさに私は「その程度の」中身で一緒だったんだろうと思っていました。
この子たちの場合、中身がどうというより、課題に対して自分できちんと書けたこというだけで褒めてあげたいところでした。
時間もあまりなかったので、その子たちのノートを見ることもなく、全体での発表へと移りました。
前に紹介したような考えがいくらか出されたあと、私はふと思い出して言いました。
「太郎くんとけんたくんが、偶然にもそっくりなことを書いたらしいよ。聞いてみたくない?」
他の子たちはみんな
「うんうん」
と。
「じゃあ、太郎くんからどうぞ」
照れくさそうな太郎くん。
「みんなみたいに長くは書けなかったんですけど」
「全然いいよ」
自分のノートに目を落とし、もう一度自分が書いたことを飲み込むように見つめていました。
その間わずかな沈黙が教室を包みました。

そして
「ゆみこには命が一つしかないから、花も一つだけあげた。です。」

この言葉のあと、さっきの沈黙より少しだけ長い沈黙がまた教室を包みました。
この沈黙は、不思議、驚き、混乱、感動、いろんなものが混じった沈黙です。
私は、胸が震えました。
その震えのまま、
「…じゃあ、けんたくん」

「ゆみこの一つの命に、一つの花をあげた」
他の子は
「そっくりだぁ」
「すご~い」
自然と拍手も起こり、二人は普段の授業では体験できないような活躍にうれしそうにしていました。
でもここでおきた拍手のほとんどは「そっくり」だったことへの拍手であり、その中身ではなかっただろうと思います。
だって、それを深く味わい検討することができる子はまだ少ないから。
でも一人目の後のあの少しの沈黙は、味わっている時間だっただろうと思います。

しかし、改めて私は驚きました。
この二人からこのキーワードが出てくるとは。
「一つの命 一つの花」
コスモスは群生してるはずです。
それこそ食べ物は一つしか与えられなかったから、花ならたくさん与えることはできただろうに、やっぱり一つだけ与えた。
そこに込められる父親の思い。
発表した2人の子の短い文章に、どれくらいそれを考えられていたかは、また尋ねてみたいと思いますが、なんとなく、この子たちなりの直感で書いた文章のように響きました。
少なからず、ここまでの授業で子どもの中に積み重ねられたものがあったということでしょうか。

下手な国語の授業を連発している私に、珍しくうれしい瞬間でした。

「一つの花」は4年生には難しすぎる?

2017-07-13 20:55:12 | 授業中の攻略法
4年生の国語で
「一つの花」
をやりました。
「ザ・4年生」という感じの存在ですね。
小さい娘がいる私には胸がキュンとなるお話です。笑

算数ばっかり教えてきた私ですので、それ以外の国語や社会は今年また一から勉強中です。
この「一つの花」も自分なりに研究しました。
研究すればするほど
「4年生には難しいな」
と私には思える教材でした。
もちろん優れた教材であることは間違いないのですが、4年生は
・戦争に関する知識が著しく乏しい
・それゆえにその当時を生きる人の思いに心を寄せるのが難しい
・小さい我が子を思う親心に今ひとつ深く迫れない
そういう実態があので、この教材はなかなかハードルが高いんじゃないかと思いました。
だからといって、子どもが気づかなかった、読みが深まらなかった分に関しては、先生が語る、説明するという授業にするのはできるだけ避けたい所です。
そうなったときに、どうこの教材を転がしていくのか、悩みました。

結果、
・戦争に関する必要最小限の知識は教える
・しかしそれは子どもの関心次第でどこまでもどこまでも広がり得るものなので、この話との関連から明確なラインを決めておく
・自分に幼い娘がいることを利用して、「先生がお父さんとして…」という例え話を適宜用いて、この教材の親子と子どもたちとの距離を離れないように保つとしました。
これが適切な手立てになったかは自信がありません。
なんせ久しぶりの国語ですから。
しかし自分の中で一貫性を持とうとすることは、この教材を通して子どもたちと向かい合う際に、自分がブレないための拠り所になるなとは思いました。
特に国語の物語文なんていうのは、こちらの予想を超える子どもの反応がたくさん起こりえる分野であり、そのたびに教師が揺れ動くようでは頼りないですからね。

そして授業してみた結果は…
また次回。

うちのクラスの不器用な学級会

2017-07-11 20:55:49 | 学級生活の攻略法
私の受け持つ四年生クラス。
まだまだ未熟なところばかりですが、この子たちがする学級会の様子が、私は好きです。
どんな様子かというと…
・覚えたばかりのとりあえずのルールはみんな守れる
・司会の子は緊張でガチガチだけど声は張る
・「はい!はい!」と手を挙げて発表はするくせに、いざ当てられると上手くしゃべれない
・どの子もチラチラ先生を見る
・出す意見が、10個中4個は的を得ていない
・ 残りの6個中3個は意味不明 笑
・なのにその意味不明の意見に対して真剣に賛成や反対が飛び交う
・いつも時間オーバー

そんな感じです。笑
こんな不器用な姿のオンパレードなんですけど、みんな真剣なのが、とにかく見てて面白いんです。
かわいいです。
もっと成長させなきゃと思いますが、もう少しこのままでもいいかなとも思っています。笑

隣のクラスの新採が研究授業

2017-07-09 12:40:13 | 教師力UPの攻略法
今日は同学年ペアの新採が初めての研究授業をしました。
大学からストレートで上がってきたがんばり屋で、正真正銘の初研究授業です。
私は同学年の学年主任であり、指導教官はまた別にいるので、この研究授業に向けて私が特に指導するということはしませんでした。
「船頭多くして船山上る」
はこの世界でよくあることで、今までにも散々見てきましたから。笑
以前に私も別の新採を指導教官として世話してきたこともありまが、そのときとはまた違う心境で今日の授業を見てました。
なんというか、「温かい親心」みたいな感じです。
私も老けました。笑
研究授業の中身はどうであれ、この子が毎日よくがんばってるのは誰よりもそばで見ていますから。

そして今日の授業。
新採らしく、緊張して、力んで、夢中になっていましたね~
そしてやり終えたあとのあの全て出しきった脱力感たっぷりの顔がよかったです。
もちろん授業の中身に課題はたくさんありますが、まずは何より、その
全力を出せたことに合格点をあげたいですね。

老けた親心で見守る学年主任も、自分のことのように嬉しかったです。