湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

黙るの詩パート1

2022-08-14 16:29:04 | オリジナル
共通テーマ「黙る」でEが書いた詩を投稿します。

黙れ

どこかの国に昔々
新聞記者諸氏に
 黙れ!
と一喝した軍報道官がいた

中高の歴史授業は滑稽だ
神世から始まって
鎌倉、戦国までは元気がいい
江戸に入るや気息奄々
近代に至っては時間切れ

大切なところは習わぬまゝで大人になる
愚民製造の
隠微にして壮大な陰謀
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蒸すの詩パート2

2022-08-13 20:50:42 | オリジナル
共通テーマ「蒸す」でAが書いた詩を投稿します。

厄難のとき

蒸し風呂で起こる命の危機から
身体が解放されると
整ったことになるらしい

逃れられない危機が永遠に続くなら
のんびり我慢していられない
危機からの開放が死だったら
生命の落差は愉しめない 

今はどっちだ
この厄難のとき
続くのか 
終わるのか
秘めた望みはどうなる
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藤森成吉の俳句

2022-08-11 08:38:09 | 文学
鳩の日が明けて今日は山の日。
ということで夏山句を漁っていたら、逗子ゆかりの作家、藤森成吉の俳句を見つけました。
満山の青葉を截つて滝一つ
部屋ごとに変はる瀬音や夏の山


藤森成吉(1892~1977年)は、1948年(昭和23年)から1977年(昭和52年)まで逗子で暮らしました。
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ガラスの詩パート5

2022-08-10 15:02:43 | オリジナル
今日8月10日はハトの日。鳩サブレー8枚入りを810円でゲットしました!

では、共通テーマ「ガラス」でEが書いた詩を投稿します。
平和

人の心はガラスのように透けていない
本音はどこにあるのやら

神が人型を作ったとき
素材は粘土だった

道理で疑惑憶測まゝならず
紛争の絶え間がない

バカモノめがと神はきっと
楽しんでいる

いっそ平和を打ち上げ
見返してやろうじゃないか
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ガラスの詩パート4

2022-08-09 23:59:28 | オリジナル
共通テーマ「ガラス」でAが書いた詩を投稿します。


君のなにかが死んでいるのなら まだいい
君がなにかを殺しているのだったら
捨て置くわけにはいかないが
どう話しかければいいのだろう
止まるほどの速度で呼吸している君の
ガラス玉の瞳を 
いったいどうやって
見つめたらいいのだろう
覗き込んでもわたしだけが映っている
君の瞳を
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ガラスの詩パート3

2022-08-05 17:49:47 | オリジナル
共通テーマ「ガラス」でAが書いた詩を投稿します。

毀れもの

硝子片を踏んだ
今さら後ずさっても仕方がない
そのまま進む
サタンの猫撫声が迫るから
逃げなきゃならない

騙されてしあわせ
なんてことになりたくない
ぼんやり頭のしあわせは地獄と同義だ

世界の隅から聞こえてくる声にも
聞くべきものと聞いちゃいけないものがある
それにしてもずいぶんたくさんの
硝子が敷き詰められた世界だ

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ガラスの詩パート2

2022-08-03 05:30:23 | オリジナル
共通テーマ「ガラス」でTが書いた詩を投稿します。

私の所にやってきたもの

直径2センチ程のガラス玉
瑠璃色の銀河や深緑色の深海
群青色の中はあやしく白い烏瓜の花
赤紫色の中は不思議な組み合わせのネジ達
薄緑色の中はシダの群れ

気付くとガラス玉の中に入り込んでいる
中には空気の流れがあり
湿り気があり香りもある
烏瓜の花は揺れ
ネジ達は動き出し
私はシダをかきわけて歩く

ガラス玉の中を覗き込む人と目が合った
瞬間 私は外に出て
ユニークなシダの群れのトンボ玉をもとめた

今 大事な時に身につけるペンダントになっている
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逗子の河童伝説

2022-08-02 13:58:04 | 文学
 遠野カッパ淵
逗子に残る河童伝説の内容をご紹介。今月の湘南句会の兼題のひとつ「河童」で作る参考にしてね。
昔々、山の根村と池子村の境に馬冷川(おんましがわ)という川が流れていました。その川には河童が住んでいました。ある日、村人が馬に水を飲ませるために川にやってくると、河童はアブに化けて、馬の鼻や耳に入ってくすぐり、馬を暴れさせて、村人を困らせました。いたずら遊びに疲れたアブの河童は、ついウトウトと馬の尻尾につかまって眠ってしまいました。村人はそっと近づき捕まえました。化けの皮の剥がれた河童は、縄でグルグル巻きにされ、岡の一本松の太い枝に吊るされてしまいました。河童は「下ろせ、下ろせ」と泣き叫びましたが、後の祭り。3日目の朝、河童はすっかり元気をなくしてしまいました。村人は言いました。「もう悪いことはしないな?」「もう二度としません。ごめんなさい」「よし。許してやる。この松が見えなくなる所まで行ってしまえ」河童の目から紫の涙が流れ、二度と姿を現すことはありませんでした。
(「知っ得ずしQ&A」第5章より)
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ガラスの詩パート1

2022-08-01 18:52:11 | オリジナル
共通テーマ「ガラス」でAが書いた詩を投稿します。

底なし沼のほとり

あなたがときめいたような顔をしている時
わたしはあくびで心の窓ガラスを曇らせ
退屈な顔でうつむいている

恋する人の
情緒の昂ぶりと落ち込みは酷い
うわつきうわずる様はおぞましい
取り乱しはこの上ない痴態だ
だから恋の話が死ぬほど苦手
あなたの胸の中の琴線に
その話のなにが触れるのか

恋していた自分の
昂ぶりと落ち込み
うわつきとうわずり
狂ったような取り乱し
自分の自分でなさを
恋情に距離をおいた暮らしが
どんなに退屈だろうが
窓の外の別宇宙にしておかないと
底なし沼にはまって
恥の足枷の重みで
浮かび上がってこなくなる

底なし沼のほとりが
どんなに退屈だろうが
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