共通テーマ「暴く」でAが書いた詩を投稿します。
Skeleton in the closet
十月の記憶の沼から立ち昇る
霊柩車のハンドルを握る饒舌な葬儀屋
わたしは位牌を膝に載せ
後部座席の棺のことを忘れている
亡き人を絶えず思っていたら
現世に居て壊れてしまう
あるいはずっと忘れていたら
既に壊れている
ということか
鍵のかかった扉をこじ開けようと
やっきになっていた頃
クローゼットの中の骸骨を
ことさらに暴くなと
生前のあの人に叱られた
こっそり開けては閉めることを
長い間繰り返したが ついに
暗い一角に留まっていた風が
小さく巻いて立ち上がり
わたしの鼻先を吹き過ぎた
今日も饒舌な葬儀屋が
誰かの棺を車に乗せて
黄泉の国へ向かう
Skeleton in the closet
十月の記憶の沼から立ち昇る
霊柩車のハンドルを握る饒舌な葬儀屋
わたしは位牌を膝に載せ
後部座席の棺のことを忘れている
亡き人を絶えず思っていたら
現世に居て壊れてしまう
あるいはずっと忘れていたら
既に壊れている
ということか
鍵のかかった扉をこじ開けようと
やっきになっていた頃
クローゼットの中の骸骨を
ことさらに暴くなと
生前のあの人に叱られた
こっそり開けては閉めることを
長い間繰り返したが ついに
暗い一角に留まっていた風が
小さく巻いて立ち上がり
わたしの鼻先を吹き過ぎた
今日も饒舌な葬儀屋が
誰かの棺を車に乗せて
黄泉の国へ向かう