マドレーヌ
――どんな子どもでした?
それがマドレーヌの一片
天敵がいたのだった
君の名は村田君
顔中生キズのたえない
全身がこれ細身のバネ
君のことを思うと
登校がおっくうだった
そんなことは親にも言えない
いつも注視されていた
コシャクなヤツだったのだろう
弱虫のくせに成績がまあまあ
朝礼ではいつも裏切られる
いるのだ 右後方からの
熱い視線
中学の三年だったよね
中距離走のあと つかつかとやって来て
――とうとう君を抜けなかったよ
瞬間 君は存在を消してしまった
…なんと ヤツも普通じゃないか
くそ面白くもネイ
幼少時さとった黄金律
――普通が一番
今もって達成できない