湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

離れるの詩パート2

2017-11-25 00:19:51 | オリジナル
共通テーマ「離れる」でTが書いた詩を投稿します。

覚悟

朱の蛍光ペンで一直線に描かれる飛行機雲
切り裂かれた空が左右に離れる
間からのぞく巨大な顔
目も口も空洞で
その中を一片の雲が流れる

入院手続きを終了し
帰途に就く車窓から見る空に
いつも現われる奴だ
「どうだ まいったか」
奴は常にそう言って私をあざ笑う
萎えていた私ははじかれて奴をにらむ
気付くと 飛行機雲は消え
空は透明な夕焼けに染まっている

自身でコントロール不可能な精神の病
病院は定宿と化し
夫はりっぱなリピーターだ
数々のエピソードを笑い話に変えて
やり過ごしてきた二十五年

今回も又喜劇のシナリオを書き上げる

コメント
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