《ハウリンメガネ》
やってらんねぇぇぇ!!!
{編集長「Mash」}
おいおい、のっけからどうした?
《メガネ》
失敬。諸々溜まっておりまして。
{編集長}
うむ。時にはヌクとイイぞ!まだ若いんだから。
《メガネ》
いやいや、そっちじゃなくて…(苦笑)
{編集長}
じゃあテレワークに飽きたのか?
《メガネ》
それには慣れましたが、とにかく嫌なニュースが多すぎますわ。国の対応もそうですが、私は世間が「相互監視社会化している」のが、一番腹立たしい!辛い人間同士で石を投げあって何になるというんだ……
{編集長}
ああいう「コロナ差別」や「自粛ポリス」「米中対立」みたいな類の話だな? GW明けの今日から「自治体による自粛緩み」も、ある意味同じで「人間同士なのに協力の希薄さ」を感じるぜ!実は俺、「この緩み」が長期化に輪を掛けると思っているよ…。
《メガネ》
「フクシマン氏」じゃありませんが、こんな状況で「負の情報」ばっかり目に入ったら、そりゃ調子も崩すでしょうよ。
{編集長}
ネットは「寂しさから来る依存」の一種で、特にSNSは最悪だよね…「寂しさ」を「偽りの相互関係」で補ってるからハッピーじゃないんだ。肩も凝るしな(笑) 。
《メガネ》
ま、氏もあなたも書いていたとおり「最低限のニュース」以外は「シャットアウト」して自分の好きなものに目を向けるのが一番の薬ですな。
{編集長}
結局は大切なのって「時間」だろ?俺は20年前のネットユーザーだから未だに「ダイアルアップ癖」が抜けないし、スマートフォンにも「高速ネット通信の制限」を掛けているんだ!「依存性」があると知らなきゃ、ズルズルと「あっちの世界」に足元をすくわれるワケ…。俺はソイツを理解しているお陰で「家では持ち歩かない」と「高速通信制限」のWカットで対応しているのよ!
《メガネ》
相変わらずの徹底ですね!じゃあ何に目を向けるか?私ゃやっぱり音楽です。まあ、ほかのこともしますが。
{編集長}
基本が有って肉付けが有る!「基本が音楽」という君の姿勢を羨ましく思う読書も居ると思うぞ。俺は「基本はスポーツ」だが肉付けとしてやっぱりギターを弾くよ!イイ気分転換にもなるし、曲も久々に書いたな。とにかく「せっかくの時間」を有効に使って行くべきさ!
《メガネ》
でもねぇ、こーいう「外でアクティブな動き」ができない時ってやっぱり音楽も「なんか違ぇなぁ」って選曲が決まらねえんですよ。
{編集長}
ああ、分かるぜ!理屈っぽいのは聴きたくない!
《メガネ》
そういう時に問答無用でバチーン!と決まる音といえば?そう!ブラックミュージック!それもレジェンド級!
{編集長}
黒人音楽には「生きる根源」みたいなモノがあるからな!この時期に丁度いいよ!
《メガネ》
というわけで。
今回のお題は「ゴッドファーザー・オブ・ソウル」にして「ファンクの帝王」!そう!ジェイムズ・ブラウンの「ライブ・アット・ジ・アポロ1995」です!
{編集長}
あまり知られていないラストのアポロだな!JBといえば「アポロ公演」だろ!何枚も「アポロLive」は出ているが、95年の本アポロ盤はもっと知られるべきだよ!
《メガネ》
そう!黒人音楽の殿堂・登竜門として名高いニューヨークは「アポロシアターでのライブ盤」です。
ジャケ写がニューヨークとJBの合成写真なんですけど、まだツインタワービルが建ってるんですよね。もうJBが逝ってから何年だっけ?14、15年か?早いねぇ……
{編集長}
俺は何度も何度もJBを見たけれど、彼以上のライブは経験出来なかったなぁ…。ポールもボブもストーンズも腐るほど見たけれど、JBショーは群を抜いてスゴイんだ!
《メガネ》
この時期のJBのバックバンド、「ザ・ソウル・ジェネラルズ」によるM1「イントロ(JBショートメドレー)」からM2「コールドスウェット」でJBが歌いだす瞬間にバシッ!と入るスイッチ!
{編集長}
メンバーは入れ替わり有れど、このバンドも良かったのよ!
《メガネ》
でも割とM2とM3はクールな感じでキメてるんですよね。M4「男の世界」からJBとバンドの熱量が一気に上がってる感じしません?観客とのコール&レスポンスも盛り上がりだしてる。
{編集長}
ふふふっ!実はこの客の声はアフレコだぞ!
《メガネ》
えっ、そうなの?
{編集長}
よく聞いて欲しい!JBの全てのアポロライブでは客の歓声をワザワザ大きく入れ込んでオーバーダブしているんだ!コレもJBの手腕で、伝説のひとつなんだよ!
《メガネ》
きめが細かい…。曲のケツでJBがジョンとかジャニス、ボブ・マーリー、ジミヘン達レジェンドの名前の連呼するのに対してレスポンスするバンドのノリとかは、初期クリムゾンっぽいなと思うのはまあ俺がクリムゾンファンだからなんだけど(笑) この辺のバンドリズムの切れ味はホントに凄いですよね。JB聴いてるとエレクトリックマイルスに通じるものを感じるんだけど、絶対マイルスはJBのことも意識してましたよね?
{編集長}
あれっ?マイルスが「JBには音楽の全てがある!ジャズもブルースもポップスも!」と言い、エレクトリックに移行したコトを知らないのか?逆にJBは50年代マイルスのジャズを60年代自分のソウルバンドに組み込んだワケだよ!
《メガネ》
なるほど!影響し合っていたんですね。
{編集長}
60年代はビートルズとボブの様に大物が凄まじく影響し合って「新しい音楽」を作ったワケだよ。JBのファンクはビートルズのロック同様「永遠の大発明」だろ!ディスコもラップもヒップホップも全部JBの焼き直しだもんな!(笑)
《メガネ》
ディスクに戻ると、こっからはもう完全にエンジンもかかりきったJBの「ザ・ファンクショウ!」
M5「ゲット・アップ・オファー・ザット・シング」のガツガツくる感じは凄くいいし、M10「パパのニューバッグ!」あれ、ファスト過ぎでしょ(笑)!しかもバンドが全然乱れない!普通ここまでファストだったら多少は乱れるもんだけど、まあ見事な統率っぷり。
{編集長}
JBはその日の気分でビートをupさせるからな!ステージでも凄い形相でバンドに指示を出すだろ?客には笑顔だが、バンドの音には細かな指示…プロ中のプロ…あんなステージはJBだけだよ。
《メガネ》
M11「リビング・イン・アメリカ」は別録りなのかな?この曲だけ浮いてる感じがあるけど、俺、この曲好きなんですよね(笑)。ロッキー4の主題歌だっけ?これぞ80's USファンク!自然と体が動くのよね(笑)。
{編集長}
別録音は他にもあるけれど、それもこの盤の味だろうなぁ。
《メガネ》
M12の「メイク・イット・ファンキー」M13「ゲット・オン・ザ・グッド・フット」の粘っこさも濃いねぇ。滴る汗が見えるようだもの。
{編集長}
この二曲は絶対の大名曲だよね!
《メガネ》
M15「ジョージア・ライナ」のクールでメロウなJBもカッコいい!JBはなに歌ったってカッコいいんだけど、こういうアーバンなクールネスが似合うと思うんだよなぁ。伊達男!って感じで。
{編集長}
バラードはもちろん、ブルースやジャズもJB節で歌い上げる!
《メガネ》
で、後半最後は
M16「アイ・フィール・グッド」
M17「プリーズ・プリーズ・プリーズ」
M18「セックス・マシーン」
の怒涛の三連発で〆て、最後はスタジオテイクのM19「リスペクト・ミー」で終わると。
{編集長}
知ってる?JBってサイン書く時に必ず「I feel good!」って添えるんだよ!コレで本物か偽物か分かるっていう(笑)
《メガネ》
JBのアポロでのライブ盤はこれが4作目ってことで、せっかくだったので67年の「ライブ・アット・ジ・アポロ(vol.1、2)」と聴き比べてみたんですよ。
{編集長}
コレも素晴らしいだろ!
《メガネ》
あのね、正直、バンドの「タイトさ」でいったら67年の方がいいと思ったんだ。でもこの1995年の方が明らかに熱量が凄いんだよね。
{編集長}
おっ良い所に気が付いたね!キングではセールスに縛られていて必ずしもJBの「本意じゃない盤」も売れるから出している…まあJBも売りたいからガンガン出すよな!一方スコッティブラザーズではJBの位置を理解してくれていて、JBの意向が反映されているんだ!
《メガネ》
私、JBの凄さってここにあると思ってて。
普通、年とってからのライブって落ち着くでしょ。
逆なんだよね、この人。晩年までツアーの予定組んでたんだもん。ハードなショウビズの最前線でひたすら汗かいてたんだよね。しかも観客に衰えを感じさせないことを自分に強いて。
{編集長}
ツアー中に死んだワケじゃない!凄いぜ!最後までショービジネスで一番忙しい男だったワケ!
《メガネ》
「ファンクの帝王」でもあるし、「ソウルのゴッドファーザー」でもあるんだけど、やっぱりこの人を呼ぶとしたら「キング・オブ・エンターティナー」って呼びたいな、私は。
{編集長}
もっと言うと死んだ後も「冷凍詰めのガラス張り棺桶」をステージ脇に飾り「JB‘s」や「ジェネラルズ」、その他大物JBフォロワーが演奏会を何日も行った…死後もエンターテイナーだったの!(笑)
《メガネ》
ええっ!死んでるのに死んでない!
{編集長}
誰も真似出来んぞ!
《メガネ》
そういえば、真似じゃないですが俺の伯母さんがJBに似てるって話しましたっけ?
{編集長}
知らんが、時たま居るよな!JB似のオバハン!
《メガネ》
じゃ俺の婆ちゃんがミックに似てるって話は?
{編集長}
えっ、そうなのか?俺の叔母さんでキース似の人がいるので、組ませてグリマーツインズと行くか?
《メガネ》
「黒く塗れ」とかやらせましょうよ!顔もクロ塗りで!あなたマネージメントお願い出来ます?
{編集長}
君、シャネルズじゃないんだから…
《メガネ》
真似出来ないコンビだと思うんですがね…(ショボン)
{編集長}
申し訳無いが、誰の為にもならなそうなので、辞めておくよ…
(終)