

ペリー提督来航

同町の大久保七郎左衛門が残した【真菅日記】

「今日七ツ頃過、西のほうより布之如長サ、木綿の如く少し黒く、西より東に飛、
半頃にて弐ツに成、又一ツに成からまりなから飛、終は壱筋は東之方に終る、
又壱ツは北の方に終る也」

とあります。訳してみますと
「今日、午後3時過ぎ頃に、西のほうから布のような長さで、木綿のように
少し黒い色をした物体が、西から東に飛んで行った、途中で二つに成ったり
一つになったり絡まりながら飛んで行きました。最後には一つは東のほうに
もう一つは北の方に飛んでゆきました。」

となるのでしょうか。
どう見ても「一反木綿」のようです。

当日の天気は【真菅日記】では、「曇、七ツより雨」、土浦の【片葉雑記】によりますと、「密雲、夜に入雨、夜中晴に成る」
とあります。
一反木綿が出た時は、雲が密集した状態で雨が降り出して来たようです。
同じ速度の風に乗って雲

上層と下層の風の流れは変ります。邪推しますと、下層のちぎれ雲が、
速い速度で他の雲と違う方向に飛んで行った時に、生き物のように見えたのかも知れません。

まあ、下司の勘ぐりはこの辺にして、この記事は珍しい、江戸時代の一反木綿の目撃記録に違いあいません。


絵は四日市「三好堂春吉日記」です。
自然の驚異は人を不安にさせます。何か事件やらが起きる時には、それも関係が無いとは言い切れません。
「一反木綿」も、巡り巡って何かに関係していたかも知れませんね!
なにしろ・・幕末の茨城は、事件だらけです
まだ、暑くて頭が回りませんので、時々パソコンの前に座る感じです。
真菅日記の作者も天狗党に加わっていました。
大阪城御堀の大魚、人形銀杏、など怪異譚も日記には色々あります。
幕末の世上不安が反映しているのかも知れません。
偽物お化けなども結構ありまして、結局恐ろしいのは人間のような気がします。
怪談も、この暑さにはあまり効かないようです。