幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

慶応三年三月十七日(西暦1867年4月21日) 大阪の天気

2017-11-20 22:32:54 | Weblog
慶応三年三月十三日の京都の日記によりますと「八重桜満開、単桜もいまだ在」とあります。
三月十五日 葛飾北斎も愛でたであろう小布施の「桜花満開」となっています。

 昔より、月に村雲、花に風

無粋に申し上げますと中秋の名月には秋雨前線が邪魔をし、桜花の時期には温帯低気圧が去来して
風を吹かせ、花を散らしてしまう場合が多々あります。

お尋ねを頂きました慶応三年三月十七日も桜の季節で、温帯低圧の去来が激しく天気の移り変わりが早かったようです。

低気圧が日本列島の北を通過しますと、一般的な流れは、まず温暖前線が通過し地雨。
次に暖域に入り南風と共に温暖となり曇りや雨など斑な天気。
その後寒冷前線が通過して西風と共に寒気が入り、雨、場合により雷や強雨となります。
寒冷前線が遠ざかると、風は次第に弱くなり天気となります。

次に天気概況をみてみますと、三月十三日は、函館、青森は曇りですが全国的には北よりの風で晴となっています。
ただ、
  曇【長陽】
  夜、、曇る【土佐市】
  晴天上々天気平和也、此節梨花、桜の花盛り也、、夜曇り、夜明方より雨降ル【熊野】
などとありますように、九州四国地方で、次第に近寄ってきた低気圧の影響が出てきています。

 翌、十四日は、関東、東海、中部、近畿、中国、四国地方で雨となっています。一方九州では、天気が回復しており
低気圧の脚の速さが感じられます。

 十五日は、北日本には雨が残ったものの、

 雨間雲不晴、、四ツ時より次第ニ雲晴れ天気ニ成ル、、夜上々月さへ渡ル【熊野】
 今暁より大雨、雨も降、南風也、朝五半時より止快晴【沼津】
 今朝大風雨止日和ニ成【多摩】

とありますように、温帯低気圧に伴う寒冷前線の通過により、風雨のあと次第に天気となったようです。

 十六日は、全国的に天気になりましたが、
  
 大き寒し風矢張し吹同【森田村】
 ○快晴大にひやこし、こたつ火いれる【和歌山】
 風烈しく寒し【中之条】
 快晴天無雲北風寒入夜月霞朦朧【京都】
 北気ニ而晴【横須賀】
 昨日より大ニ寒気【松坂】
 晴天朝霜強し【長陽】
 天気風立寒し、朝の内火辺よろし【白河】

とあり、北寄りの風で寒さが厳しかったようです。

さて、お問い合わせのありました、三月十七日ですが、パソコンで、うまく天気図が書けませんので、
下書きを写真に撮りました。



 正午頃を想定した天気図ですが、全国的に晴マークが多く、寒さも十六日より緩んだところが多かったようです。
しかし、よく見て頂きますと、近畿以西に◎の曇りマークや●の雨マ-クが見られれます。
早くも次の低気圧の影響が出ているようです。

大阪近郊の天気史料を調べてみますと、

薄照【岸和田】
曇【池田】
晴天九ツ前より双天夜雨降【京都】
快晴午刻後東風吹陰催雨気暖【京都】
上々天気、、九ツ時より曇り雨なし、、くれ時より夜通ししっぽり雨降ル【熊野】

とありまして、大阪の詳しい記録はありませんが、近くの京都や熊野の天気を勘案いたしますと、
大阪では、午前中は天気良く、お昼頃から曇り、夜に入ると雨になったと思われます。

この日木更津では、牡丹が盛りで、翌十八日は全国的に雨となりました。










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面接は腕立て伏せで

2017-11-04 11:03:08 | Weblog
 ブログのテ-マとは関係ありませんが、あまり書き込まずにおりましたので、
広告が出て参りました。

 そこで、先日近くの土建屋さんから聞いた無駄話を一つ
この頃は、田舎のほうでも、高齢化のせいか人手不足になり東南アジアの方を雇う会社が多いそうです。
そこで、代表の社長が、東南アジアに面接に行くそうです。

面接では、腕立て伏せをして貰い、回数の多い方から採用するそうです。

最初、聞いたときは土建屋さんらしい無謀さだと思ったのですが、良く考えて見ると
言葉も分からない、文化も違う中での採用には、最も合理的な方法かも知れないと
思うようになりました。
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