幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

妖怪 一反木綿あらわる! 嘉永六年十一月二十日七つ頃(西暦1853年12月20日午後3時頃)

2010-08-21 14:33:12 | Weblog


 ペリー提督来航の半年あと、茨城県八千代町の上空を異様な物体が飛んでいきました。

同町の大久保七郎左衛門が残した【真菅日記】によりますと、



 「今日七ツ頃過、西のほうより布之如長サ、木綿の如く少し黒く、西より東に飛、

  半頃にて弐ツに成、又一ツに成からまりなから飛、終は壱筋は東之方に終る、

  又壱ツは北の方に終る也」

とあります。訳してみますと
 
  「今日、午後3時過ぎ頃に、西のほうから布のような長さで、木綿のように

   少し黒い色をした物体が、西から東に飛んで行った、途中で二つに成ったり
   
   一つになったり絡まりながら飛んで行きました。最後には一つは東のほうに

   もう一つは北の方に飛んでゆきました。」

となるのでしょうか。

どう見ても「一反木綿」のようです。

 

当日の天気は【真菅日記】では、「曇、七ツより雨」、土浦の【片葉雑記】によりますと、「密雲、夜に入雨、夜中晴に成る」


とあります。

一反木綿が出た時は、雲が密集した状態で雨が降り出して来たようです。


同じ速度の風に乗って雲が流れますと、下層の雲程早く見えますし、寒気や暖気の移流があれば、

上層と下層の風の流れは変ります。邪推しますと、下層のちぎれ雲が、

速い速度で他の雲と違う方向に飛んで行った時に、生き物のように見えたのかも知れません。



まあ、下司の勘ぐりはこの辺にして、この記事は珍しい、江戸時代の一反木綿の目撃記録に違いあいません。



絵は四日市「三好堂春吉日記」です。

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あつくていけません。

2010-08-04 18:59:55 | Weblog
書中お見舞い申し上げます。

郁熱、欝蒸

毎日、かみなりです。

冷房のない,私の部屋はとても大変です。

入力していない、史料の日記も10ケ以上たまって来ました。

涼しくなるまで、もう少し、じっとしています。




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