幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

松の新芽の食べ方「大秘方萬料理方全」

2013-05-18 15:27:36 | Weblog
 あまり天気がよいので、庭に出て見ました。
松の芯が大きく伸びていました。



その昔、安政四年の料理本「大秘方萬料理方全」という本を解読して、料理の再現を
したことがありました。

グルメでない私は、旨そうにない「みとの漬」を担当することになりました。
みとの漬けとは、松の新芽の塩漬けです。
(松の新芽をみどりと言うようですので、みどり漬かと読み返しましたが、原文はやはり みとの漬とあります)
簡単なようですが、食材がス-パーで売っていないので、苦労しました。
近くの山に何度も行き、新芽が大きくなるのを待って収穫しました。
写真の新芽は食べごろでしょうか。

料理法は、

○みとの漬の事

   一、松のみとりの若きを取、まつ煎へ湯を桶へ入其湯一入置蓋をして湯のさめる程置候へは、
     やに気去なり、右之通二三度も仕候へは、一向松やにの気なし、右のみとりへ塩ふり桶へ漬置、
     御酒盛のたまり肴等ニ能候。



 松の新芽をとってきて、桶に入れお湯を注いで、二三度替えると、松やにの匂いがなくなる。
 その後新芽塩をふって桶へ漬け、酒の肴にする。というものです。

特に旨いものではありませんでしたが、復元した料理の、人気投票では、二位か三位の座
保っていました。

世の中物好きが多いですね。
我と思わん方は挑戦してみたくださいね。
私はしません。


横で、どこかシュールにチューリップの花が咲いていました。



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掛け軸の描かれた日の天気

2013-05-12 18:02:18 | Weblog


庭の梅は、花も散りぼうぼうになってきました。

そこで、梅の掛け軸を替えなくてはと思い床の間の梅の絵をみますと



落款に「癸卯 仲夏 念一日 梅関岳」とありました。

この掛け軸が描かれた日と署名に違いありません。

ではこの掛け軸がどのような天気の日に書かれたのだろうかと興味が湧いてまいりました。

まず、「癸卯」の年ですが、梅関岳は、仙台藩の文人画家の菅井梅関のことですので、梅関の生存中
【天明4年10月27日(1784年12月9日)~天保15年1月11日(1844年2月28日】の「みずのと、う」の年ですので、
天保十四年です。

次に「仲夏」は夏(旧暦、4月、5月、6月)の真中ですので、五月です。

最後に、「念一日」は念が二十日ですので、二十一日です。

そうしますと、この梅の絵が描かれたのは、天保十四年五月二十一日になります。

天保十四年五月二十一日(西暦1843年6月18日)の各地の天気は


細雨【北海道厚岸】
朝よし、南風ニ而極暖也、、夜極晴【青森県森田村】
朝未明より南風にて大雨降に候処九ッ頃晴候晩方天気に相成同夜蚊多く御座候【宮城県涌谷】
晴【山形県白鷹】田植
雨【日光】
雨天南風【銚子】
雨昼前大雨【鷹見泉石日記】【江戸】
終日大雨夜ニ入不止降続候事【藤沢】
雨降る,五ツ頃過曇天、折々小雨、暑し、、昼頃より追々天晴也【氷見】
大川通出水七合【豊橋】
大雨、、大雨、、夜前より大水出ル凡六合計【田辺】
曇【京都】
雨【土山】
朝小雨辰刻より日のめさす、夕朱暫雲消【池田】
半晴【佐土原】
雨、晴天【高山】

とあります。日本列島のほとんどが雨です。と、ここまでは順調だったのですが、この掛け軸
どこで書かれたのか分かりません。
宮城県ではないかと想像を逞しゅうしておりますが、これまでです。

今度は、石碑かなにか動かないものの作られた日の天気に挑戦してみましょう。



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