幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

心象の風景

2016-01-10 13:14:19 | Weblog


年があらたまりましたので、部屋の奥から屏風を出してみました。
六曲一双で、春から冬へと、絵と賛が変わって行き来ます。

絵と賛はひと組で、旧暦の一月には少し早いのですが、早春の部分を上げてみました。

    まず、賛には、
       写し得たり、江南旧春の色
       風来りて、一夜、画梅香る
               とあります。

江南の春は云うまでもなく、杜牧の漢詩「江南の春」をイメ-ジしています。

      千里鶯啼いて緑紅に映ず
        水村山郭酒旗の風
      南朝四百八十寺
        多少の楼台煙雨の中

屏風の作者は、江戸時代の地元の画家「東 東洋」です。

   賛を約しますと、こうもなりましょうか。

     うまく、江南の春の景色を写すことが出来ました。
     ある夜、風が吹いてくると、この絵の梅が香りますよ。

賛を読んで、絵を見、作者の心象風景を楽しむ。
         この頃少し忘れられつつある世界です。

「クシ、クシ、」そう言えば少し匂うような。
コメント (2)
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