幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

こよみの値段(幕末の物価変動)

2017-07-23 20:54:06 | Weblog

幕末の物価上昇率を調べようと思うと、サンプルの取り方が難しい。

農産物では、椎茸や秋刀魚などでも、大きさや産地が違えば比較は出来ません。

一番価格が書かれている、米も精米の具合や産地によってまちまちです。

人件費も人により違います。

塩はばらつきが少ないのではないかと思って調べましたが、

一、 金弐歩ト八匁三分 赤穂塩三俵 
一、金壱歩ト五分七厘 新浜塩弐俵  【浜浅葉日記】【横須賀】

と、赤穂塩の価格は、新浜塩の価格を比べますと価格が1.8倍もします。

勿論、焼物や御椀は出来により価格が違います。


そこで、今回【浜浅葉日記】を読んでいますと、歳末にほとんどといって良いほど、暦を一冊購入しております
だいたいは、同じこよみを購入するのではないかと考えましたので、年度と価格を調べてみました。





安政三年十二月 こよみ一冊36文
安政四年十二月 こよみ一冊36文
安政五年十二月 江戸こよみ一冊36文
安政六年十二月 こよみ一冊36文
安政七年十二月 こよみ一冊 買値なし 
文久二年十二月 こよみ一冊36文
文久三年十二月 こよみ二冊116文(一冊58文)
文久四年十二月 こよみ一冊56文
元治二年十二月 こよみ一冊100文
慶応二年十二月 こよみ一冊124文
慶応三年十二月 こゆみ一冊150文
慶応四年十二月 こゆみ一冊250文
明治三年十二月 暦一冊350文

となりました。

安政三年 36
安政四年 36
安政五年 36
安政六年 36
文久二年 36
文久三年 58
文久四年 56
元治二年 100
慶応二年 124
慶応三年 150
慶応四年 250
明治三年 350

エクセルでグラフを作ってコピーしましたら、元のデ-タにもどりました。

それにしても、文久三年以降の値上がり率はすごいです。

明治三年には、安政三年の約十倍になっています

前から、「髪結い代」の変化にも注目していたのですが、この日記では、文久三年まで、32文でした。

文久三年には以前からの林床屋をやめて、三本松床屋にしています。

その後は価格の記載がないようですので、高騰のため、自分で結ったのでしょうか、はたまた「色々之代」と

ある、雑費に入ってしまったのでしょうか。

こう、物価が騰貴しますと誰がもうかるのでしょうか。商人も含めて庶民ではないようですな。








コメント
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