幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

台風のなか、ペリカンが飛ぶ

2021-02-27 09:56:20 | Weblog
 ペリカンは日本には生息しないそうですが、稀にあらわれる時があるそうです。
迷鳥と言い、台風などに紛れて日本に来るようです。

この度は八軒家絵巻様より、ペリカンが「浪花百景」の中の「江口の君堂」と題する作品に描かれており、
文久年間に、南方の鳥が流されてくるような大型の台風で、大阪付近を通過した記録はありましたでしょうか。

とご依頼をいただきました。


早速、史料に当たってみました。文久年間の六月から十一月の間で、大風の記録や強風、大雨の記録が複数
ある日を抽出いたしました。

文久元年 8月3,4日
     9月3日
     10月5、6日
文久二年 6月3日
     7月14,15日
     7月24,25日
     閏8月11日
文久三年 6月3日
     7月2日(薩英戦争中)
     7月96、10日

が該当しましたが、果たして台風であるかどうかわかりません。
史料も日本国内分しかありませんので、海洋での資料はありません。

今は、衛星画像やレーダ-で発生の様子までわかりますが、文久年間では
日本に影響が出てからしか分かりません。
言ってみれば、現在はピッチャ-が球を投げた時から観察できますが、幕末では、ミットに球が触ってからしか
判断ができない状態です。
結局、台風だとはっきり判別できるのは、日本列島に上陸した台風に限られます。

文久年間は、台風が上陸したと思われる日は、すくないようですが、
やはり、一つ一つ当たってみるよりないようですので次回よりやってみます。

折角のリクエストをいただきながら、地震が寄ったりしまして遅くなり申し訳ありません。
コメント (2)
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