幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

江戸の初雪、東京の初雪

2008-12-04 19:59:24 | Weblog
 初雪や 二の字二の字の 下駄のあと

江戸の初雪はどこか粋である。同じ場所に降る雪でありながら東京の初雪とは全く異質なもののようだ。
 そこで、江戸の初雪と東京の初雪の降る時期を比べてみた。較べたのは、気象庁による現在の平年値と、江戸時代の天保二年(1831年)から十四年(1843年)までである。
     
気象庁の平年値によると、東京の初雪は1月2日である。一方、天保の初雪は早い年で天保2年11月16日(比較の都合上日付は西暦になおしてある)、遅い年で天保10年の2月17日であった。13年間の平均は12月23日で、現在と較べると十日ほど早く江戸には初雪が降っていた。
 やはり、江戸は東京より寒かったようである。
最低気温と初霜は深い相関があり、江戸と東京の初霜の降った日を較べるとさらに気温の違いが明らかになる。
東京での初霜平年値は12月14日であるが、天保の初霜は約1ヶ月ほど早い。
積雪量も東京より江戸の方が多かったようである。ちなみに天保12年1月28日の大雪は「大雪、三尺程つもる」「雪大いに起こる晩深き所は、殆どニ尺を過ぐ。亥刻。雪止む」と言うように江戸で60cmから90cmほどの積雪があった。
また、大冷害の前年の天保3年の冬は、一尺(約30cm)を頭に十四回の積雪があった。
言い伝えによると、雪が多い年は豊作である。農夫は翌4年の豊作を期待したが、案に相違して大凶作になってしまった。
さて、これからが冬本番、今年の冬は多雪だろうか、少雪だろうか。
予報は、なかなか当たらない。



 

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