幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

大店の鍵はどこに隠した 小津清左衛門 江戸大橋店支配人理兵衛の場合

2009-11-14 18:42:34 | Weblog
 伊勢松坂の商人、小津清左衛門の江戸大橋棚の支配人理兵衛の「大寶得」と「日嘉得」が七冊ほど手元にあります。残念ながら、天気は十日分ほどしか書いていませんでした。
難読なので、そのままにしていたのですが、小津本家の「小津清左衛門長柱日記」を読み、それでは番頭さんの手記もと思い読み始めました。

はじめに処世訓のようなものがありましたので写します。

  父母に孝行に、法度を守り、謙(へりくたり)り、奢らずして家職を勤
  正直を面々の本とする事
  誰も存じたる事なれとも、いよいよ能あい心得候様下々へ教申し聞ものなり。

とあります。今も昔も言うは易く行うは難し、と言ったところでしょうか。

ところで、慶応三年の控に「店へ置候覚」があり、中に鍵と印形の置き場所があります。
何となく興味がありますので紹介します。

  鍵(どこの鍵かは不明)はタンスの下の引出しの風呂敷包みの中へ袋に入れて  置いています。
  印形は、帳場の硯箱の引き出しの中にあります。
  また、二丁目、花たんすのかぎは、伊勢半へ預けています。

 鍵が店内になければ、内部の不正は無く、花たんすが、壊さない限りは盗まれないので、なるほどと思いました。
タイムマシンが出来ましても、皆様には「法度を守り」くれぐれも盗みに入らない様お願いします。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 名月 赤城山 天保十三年九... | トップ | 小津清左衛門 江戸大橋店の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事