僕の詩集

「人間・人生・生きる」をテーマに、色々な角度から人間を描写し、格言詩を目指しております。
読みやすく解りやすい詩です。

僕の詩集No.3【 遠 い 記 憶 】

2015-05-30 22:22:38 | 
   遠 い 記 憶

       にのみや あきら

自分が何者なのか
意識さえない
父がいて
母がいる

正門からは入らず
横の垣根を壊して
引越し用の大八車を
中庭の花畑に突っ込んだ
斜めになった大八車の
荷物の中に蹲って僕は
郊外の畑に囲まれた
これから住む家を眺めた
寒さで小踊りする程ではなかったが
無性に心が弾んでいた

僕の人生の記憶はここから始まった
ほんの僅かな時間の違いなのに
たったいま後にした居宅のことは
全く覚えていない

自分が何者なのか
どんな人生を歩むのか
まだ意識すらない
ただ朝鮮の気候が
僕の心を厳しく包んでいた

僕の人生の記憶は突然ここから始まった
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