僕の詩集

「人間・人生・生きる」をテーマに、色々な角度から人間を描写し、格言詩を目指しております。
読みやすく解りやすい詩です。

僕の詩集No.3【 遠 い 記 憶 】

2015-05-30 22:22:38 | 
   遠 い 記 憶

       にのみや あきら

自分が何者なのか
意識さえない
父がいて
母がいる

正門からは入らず
横の垣根を壊して
引越し用の大八車を
中庭の花畑に突っ込んだ
斜めになった大八車の
荷物の中に蹲って僕は
郊外の畑に囲まれた
これから住む家を眺めた
寒さで小踊りする程ではなかったが
無性に心が弾んでいた

僕の人生の記憶はここから始まった
ほんの僅かな時間の違いなのに
たったいま後にした居宅のことは
全く覚えていない

自分が何者なのか
どんな人生を歩むのか
まだ意識すらない
ただ朝鮮の気候が
僕の心を厳しく包んでいた

僕の人生の記憶は突然ここから始まった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕の詩集 No.2 【 記憶と時間 】

2015-05-30 13:52:44 | 
   記憶と時間

        にのみや あきら


時間が記憶を食べて行く
食べ切れないほどある記憶を
次から次へと食べて行く
美味しい記憶も
苦い記憶も
選り好みしないで食べて行く
そして二度と
吐きだすことはない


時間が記憶を奪って行く
奪っても蓄えることはしない
奪って体内で消滅させてしまう
貴重な記憶も
ねじれた記憶も
おかまいなしに消滅させてしまう
そして二度と
甦らせることはない


時間が記憶を追っかけている
逃げても逃げても追いかける
追いつかれた記憶は
体力を失い
擦り切れ
時間的感覚を失い
1ッの塊になる
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕の詩集No.1 【 青 春 】

2015-05-30 13:16:04 | 
  青 春

     にのみや あきら


君の優しさがあれば
なにもいらない

君の愛があれば
なにもいらない

僕の心は
初夏の陽炎に乗って
空高く舞上がる
七色の風船のよう

君の優しさがあれば
なにもいらない

君の愛があれば
なにもいらない

僕の人生
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする