4/6
【帚木】(ははきぎ)の巻 (1)
光源氏という名前が大袈裟に喧伝されるものの、それほどおもしろみのあることはなくて、秘密の恋愛事件が幾つかはありましたが…と作者の弁で始まります。藤壺女御との続きは一旦中断の形で帚木の巻が始まります。
源氏は中将となり17歳、頭中将(左大臣の子で葵の上の兄)おそらく23~24歳
源氏には学問や芸事を互いに睦み合い競い合う、頭中将がいました。年上ですが、源氏とはこの後も良きにつけ、悪しきにつけ好ライバルとしてでてきます。
なが雨が続き、内裏の御物忌みがつづいたある夜、源氏の宿直所を頭中将が訪れ、女というものについて談義をはじめます。
雨夜の品定めとして有名な箇所です。女姓の階級を上中下の3段階に分け論じます。
頭中将が言います。
「…人の品高く生まれぬれば、人にもてかしづかれて、隠るること多く、自然にそのけはひこよなかるべし。」
位の高い家に生まれれば、人にかしづかれて育ち、欠点が隠れていることが多く、自然格別立派に見えよう。
「中の品になむ、人の心々、おのがじしの立てたる趣も見えて、わかるべきべき事方々多かるべき」
中流階級の中にはいろいろな点で優劣の区別のつくことが多いでしょう。
「下のきざみといふ際になれば、殊に耳たたずかし」
下層階級という身分になると、それはもう何の興味も湧きませんね。
そこにさらに何人かが加わって面白おかしな経験談、意味ありげな秘密ごとなど、ながながと談義がつづきます。身勝手な女性観ですが、なかなか面白いです。
宿居の役目の夜は、男性達は女性の話、自慢話、うわさ話をしていたのでしょうか。女房達も同じで、面白い話は一夜のうちに人びとの中を駆けめぐったようです。想像以上にニュースは早かったと思います。
では、また。
【帚木】(ははきぎ)の巻 (1)
光源氏という名前が大袈裟に喧伝されるものの、それほどおもしろみのあることはなくて、秘密の恋愛事件が幾つかはありましたが…と作者の弁で始まります。藤壺女御との続きは一旦中断の形で帚木の巻が始まります。
源氏は中将となり17歳、頭中将(左大臣の子で葵の上の兄)おそらく23~24歳
源氏には学問や芸事を互いに睦み合い競い合う、頭中将がいました。年上ですが、源氏とはこの後も良きにつけ、悪しきにつけ好ライバルとしてでてきます。
なが雨が続き、内裏の御物忌みがつづいたある夜、源氏の宿直所を頭中将が訪れ、女というものについて談義をはじめます。
雨夜の品定めとして有名な箇所です。女姓の階級を上中下の3段階に分け論じます。
頭中将が言います。
「…人の品高く生まれぬれば、人にもてかしづかれて、隠るること多く、自然にそのけはひこよなかるべし。」
位の高い家に生まれれば、人にかしづかれて育ち、欠点が隠れていることが多く、自然格別立派に見えよう。
「中の品になむ、人の心々、おのがじしの立てたる趣も見えて、わかるべきべき事方々多かるべき」
中流階級の中にはいろいろな点で優劣の区別のつくことが多いでしょう。
「下のきざみといふ際になれば、殊に耳たたずかし」
下層階級という身分になると、それはもう何の興味も湧きませんね。
そこにさらに何人かが加わって面白おかしな経験談、意味ありげな秘密ごとなど、ながながと談義がつづきます。身勝手な女性観ですが、なかなか面白いです。
宿居の役目の夜は、男性達は女性の話、自慢話、うわさ話をしていたのでしょうか。女房達も同じで、面白い話は一夜のうちに人びとの中を駆けめぐったようです。想像以上にニュースは早かったと思います。
では、また。