ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

戦時中の動物たち №8

2009-03-08 | Weblog
 高島春雄著『動物渡来物語』昭和22年3月、日本出版社刊。(増訂版・学風書院刊・昭和30年3月発行)。現代語表記にあらためて、同書本文「猛獣渡来考」からの意訳再録です。

 ライオンの老夫婦は昭和6年12月、エチオピアの使節がわが皇室に献上した。それを下賜されたもので、オスは昭和18年に17歳、メスは16歳という。もう1頭のメスは昭和10年6月に園で生まれた9歳であった。
 トラはインド産のメスで、昭和12年5月に来園。推定年齢20歳だが片眼を失明していた。
 ヒョウ3頭のうち若いオスは3歳、台湾産で昭和17年7月に来園した。かの『兵隊と豹』の主人公・ハチである。ほかのオスメスはどちらも推定11歳。台湾産で昭和11年6月に来園した。8月19日、メスは2頭の子を産んだ。その1頭は毛色の黒い黒ヒョウで、もう1頭はふつうの毛並みであった。黒ヒョウがヒョウと別種でないことは、カラスヘビがシマヘビと同種なのと軌を一にする。
 黒い子ヒョウは戦争激化による措置以前に病死してしまったが、もう1頭は両親と運命をともにした。別の檻にいた黒ヒョウは、オスもメスもマレー産で昭和10年8月来園。推定年齢12歳であった。
<2009年3月8日>

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