ふろむ播州山麓

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能登の震災と原発

2024-01-28 | Weblog

 甚大な被害を受けた能登地震。被災者と関係者、そして活動が始まったボランティアの皆さまにエールを送ります。
 ところで能登半島にも原子力発電所があります。立地は半島西南部の志賀町(しかまち)。北陸電力志賀原発。運転停止中でもあり、幸い大事故には至らなかった。しかし問題は多いという。
 震度でみても<7>とされているのが、震源地の珠洲市と、遠く離れた志賀町。そして遅い発表で1月25日は輪島も<7>に追加された。震度<7>はこの三か所である。
 津波は志賀町で5.1mが観測された(京大防災研調べ)。同町での隆起は2.5mが確認されている。国土地理院の解析では、珠洲市から輪島市、志賀町にかけて、沿岸部の海底が総延長約85キロにわたって隆起して陸地になっている。連動した活断層は、能登半島北側から南西に伸びる150キロ程度。大きな地殻変動を起こしたのは震源より遠い、半島西部という。志賀町の近辺である。
原発敷地内の断層は10本ある。敷地内では、地面に35㎝の段差ができたそうだ。

 さて、門外漢のわたしでは今回の大災について考察を述べることは困難です。識者の発表をダイジェストで紹介します。

 日本海側は活断層の密集地域で、原発について、長期評価や強振動評価を行う必要がある。(東北大災害科学国際研・地震学/遠田晋次教授)

 周辺には多くの断層がある。どれかが動けば、影響を受ける可能性は高い。北陸電力は不適切な場所に原発を建ててしまったことを認めて、廃炉にするべきだ。(原子力資料情報室・上沢千尋)

 地震で設備のあちこちに破損があり、弱っている。もう一度大きな余震があった場合に、設備がそれに耐えられるか。(元原子力委員会委員長代理・原子力工学/長崎大鈴木達治郎教授)

 志賀原発建設以前に、建設が計画されていたのが、珠洲原発である。住民による根強い反対運動で中止になったが、もし建設していたら大変なことになっていたと思う。(金沢大・五十嵐正博名誉教授)

 原発拡大政策は、後は野となれ山となれ、これを文字通りに行うことに他ならない。放射性廃棄物の処分は、国内ではまったく不可能。そして原子力発電推進の愚行は、地殻変動が多い日本列島では最初から無理だったのだ。(五月書房刊『原発と日本列島』)・地質学者土井和巳著)
<2024年1月28日 南浦邦仁>
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