ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

坂本龍馬の受難

2009-11-15 | Weblog
11月15日は龍馬の命日です。慶応3年のきょう、河原町通に面す土佐藩用達の醤油商「近江屋」の二階で、同志の中岡慎太郎、従者の山田藤吉とともに、刺客に襲われました。龍馬はほとんど即死。もと相撲取りの藤吉は翌日、慎太郎は翌々日に絶命しました。
 この日は新暦換算表でみると、1867年12月10日火曜日にあたります。ずいぶん凍てついた、言葉通り京の底冷えの夜でした。
 ところで、近江屋のあった位置をみてみましょう。石碑が立っています。「坂本龍馬・中岡慎太郎 遭難之地」。京都市が建立したものです。京都いちばんの繁華街、四条河原町の交差点を50米ほど北に行ったところ、コンビニ・サークルKの玄関左脇に立派な説明板とともに立っています。
 このコンビニは、近江屋跡地であることを宣伝材料として使っておられるようです。チラシ「幕末・維新マップー龍馬が駆けた河原町」も店内で無料配布しておられる。商魂たくましいのですが、「日本一有名な龍馬のサークルK」で、いいのだと思います。
 ただ、この石碑は昨年まで、数米南に立っていました。いまはもうない京阪交通社と、南に隣接するパチンコ・キングの北境にあったのです。旅行社が閉店され、間口の広かった跡地の北側にコンビニができ、南側に宝飾店「I-PRIMO GINZA」が開店。それに伴い、石碑は北に移動してしまったのです。本来は宝石屋さんの玄関左脇にあるべきなのですが、お店の間口とショウウィンドウの設計の加減で、北に移さざるを得なかったのだろうと思います。
 しかしもともとの石碑の位置が受難の地点であったのか、これも疑問です。河原町通は大正15年、市電開通のために大幅に拡幅したのです。もとの道幅はわずか二間。4米足らずしかなかったのです。それも道路の西側、すなわち近江屋のあった側を軒並み削り取ったのです。ですので龍馬たちが急襲された近江屋二階、奥の八畳間は、サークルKから数米ほど南に下がった、歩道の上なのです。歩行者は、龍馬が倒れた位置の真下を行き来しているわけです。
 それと、宝石屋のすぐ前の歩道上かというと、これも少しずれています。近江屋は、実はパチンコ・キングの位置にあったのです。最初に石碑を建立するとき、本来の地点に立てたのか、あるいは元京阪交通社のあった地に建てたのか。また二度移動した可能性も捨て切れません。
 この謎は、来年の命日までには調べてみようと思っています。蛇足ですが、京都河原町通あたりをご存知ない方にとって、言葉で位置を知ることは、きっとしんどいと思います。矢印で記してみます。左が南で、右が北にあたります。
 四条河原町交差点→40㍍ほど→パチンコキング→隣接:宝飾屋→隣接:サークルK
 一層、混乱されたかもしれませんが…。老婆心でしょうか。

 さて、このブログで龍馬絡みの作文をかつて三度、書いています。いずれも2007年。
「坂本龍馬とノロウィルス」 11月3日 
「幕末の<金玉>三話」 11月11日 
「金玉余話」 12月2日
 どれも結構おもしろい噺ですので、ご笑覧ください。自画自賛そのものですが。
<2009年11月15日 南浦邦仁>

追記:四条河原町交差点から、パチンコ・キングまでの距離ですが、どうも気になるので、つい先ほど歩いて足幅で測ってみました。ざっと200歩。おおよそ100mです。訂正します。それと、サークルK玄関先の石碑と高札風案内板は、木組垣に囲まれ、両側には石作りの花生けと供具置きがしつらえられていました。ごく最近の造作です。活けられた花は、何かを語っているような風に感じました。その風は一体、何なのでしょうかね。<2009年11月18日 南浦邦仁>

追記:サークルKはその後閉店し、建物は取り壊されてしまいました。宝石屋も閉まっています。来月12月21日からコンビニ跡に回転寿司屋がオープンするそうです。どのお店も受難の地のようですが、今度こそ繁盛を祈ります。碑は健在です。<2013年11月22日>



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2 コメント

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こんばんは。 (せつ)
2009-11-19 23:47:45
突然失礼致します。
先日(16日)、太夫さんのお店でご一緒させて頂いた者です。

色々なお話をさせて頂き、有難うございました。
とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

ブログを読ませて頂きましたが、石碑の場所がそんなに移動していたとは知りませんでした。

旅行会社がある時から、そこへは何度も訪れたことがあるのですが…。

これからもブログを読ませて頂きますね。
どうぞ宜しくお願いします。
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せつ さま (かたせ)
2009-11-20 06:31:19
ありがとうございました。酔っ払いのおっさんばかりでしたが、みな素敵な仲間。楽しかったです。それにしても、はるばる静岡から龍馬忌に来られたせつさんに偶然、お会いしたのは、島原の太夫と龍馬の縁でした。まるで維新前夜のような話しですね。再会を楽しみにしています。前の同志仲間を招集します。
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