今週はこればっかりの話になってしまった。
昨日たまたま、オートレースグランプリの中継をほんのちょっとだけ見たところ、6レース発売中に、飯塚オートのアドバイザー、松田英之氏が高橋貢事件について、ファンの質問状が出ていたので、このような回答をしていた。
「この件についてはさほど大きな問題ではないんですよ。」
「旧タイプのドライブスプロケットは磨耗度が大きいため、今のドライブスプロケットは若干、旧タイプよりも厚くしたわけですが、スピードとか性能の面についてはほとんど変わりません。」
「だから高橋くんも、ああ、ちょっとミスったかな、という程度で。だから一節程度の罰則はあるかもしれませんが、そんな大きな問題ではないし、みんな騒ぎすぎですよ。」
多分、松田さんもこの件については、あまりしゃべりたくなかったんだろうと思う。
私はモト(オートバイ)の性能やパーツに関する件については全く分からないが、ドライブスプロケットの性能云々については、松田さんの言うとおりだとは思う。
しかし「ひっかかる」のは、ウイキペディアに書いてあったが、
『リア(後部)側のほうが歯車が大きく、前後の組み合わせで変化させると、最高速の伸びや、低速域での扱いやすさなどを大きく変化させることが可能』
という点。
さらに当掲示板で高知の住人さんより、
『出力が自転車より高いオートバイの場合、ドライブトレインの状態(ギアやチェン)によって、レスポンスに差が出やすいと感じます。』
という話もまた出ているわけで、そう考えると果たして、ほんのミスった程度の問題で済むものなんだろうか?
ところで、スポーツ報知に詳細記事が掲載されていた。
高橋貢が整備違反…オートレースグランプリ初日に禁止部品使用
オートレースのトップレーサー・高橋貢(35)=22期・伊勢崎所属=が、構造上安全対策を施していない部品を使用しレースに出走したとして21日、参加中だった福岡・飯塚オート「SG第10回オートレースグランプリ」2日目の8Rを欠車、帰郷した。
同選手は20日のシリーズ初日、第12R「選抜予選」に出走。出走前に義務づけられている車両検査を通常通りに受けて合格し、競走前の試走に臨んだ。だが、試走終了後、待機ピットでの最終車両確認検査において検査員から、フロントエンジンに取り付けられている動力伝達用の歯車である「フロントドライブスプロケット」が、旧タイプの部品ではないかと指摘された。
レースは正常に行われ、高橋は5着でゴールし確定。21日朝に車両検査員が再度、高橋選手立ち会いのもとでマシンを点検。「競走車構造基準」に違反する事実が認められたため、同選手は参加解除となった。
現在のスプロケットは、2000年に耐久性アップを目的として、中心部のくぼみ部分が2・5ミリから1・5ミリに変更された。同時に旧タイプの部品使用禁止通達も出され、すべて回収、処分されているはずだった。だが、今回と同様の違反が05年11月にも飯塚オートで発覚。周知が徹底されていなかった。
「ついうっかり…」(高橋)犯してしまった違反。05年11月のケースでは2節8日間(実質約1か月)の出走停止というペナルティーだったが、今回の件については後日、精査され「あっせん規制委員会」で処分が決まる。ただし、前日検査と当日の直前検査で、高橋選手のマシンは合格とされており、運営をつかさどる競走会の検査体制も厳しく問われることになる。
◆高橋 貢(たかはし・みつぐ)1971年6月14日、群馬県伊勢崎市生まれ。35歳。1991年6月選手登録の22期生。97年「第16回オールスター」でSG戦初制覇。2004年8月に通算100V、05年5月には生涯獲得賞金10億円を突破するなど、オート界のトップレーサー。通算成績は1896戦731勝、2着371回、3着234回、着外560回。通算優勝は119回。174センチ、55キロ。血液型B。
城丸秀高・飯塚市小型自動車競走場開催執務委員長「飯塚で開催のオートレースグランプリにおいて、S1の高橋貢選手が、使用を禁止されている旧部品を使用したというのは非常に遺憾であり、残念に思います。詳しい状況は今後の調査を待たなければなりませんが、オートレース業界にとってイメージダウンになることは免れず、売り上げが低迷している今、ファン離れに拍車がかからないか心配しております。ファンの皆様におわび申し上げます」
ここで城丸・開催執務委員長の、
『オートレース業界にとってイメージダウンになることは免れず、売り上げが低迷している今、ファン離れに拍車がかからないか心配しております。ファンの皆様におわび申し上げます』
という言葉は、よーく噛みしめておかないとダメだろう。
つまり施行者は今、オートレースが消滅の危機に立たされているということを切実に感じているわけだ。このコメントを見る限り、高橋の件については相当に憤っているように感じる。
思えばオートレースでは、私がこの競技というものを知ってから約10年の間でも、浅香潤や浜野淳、さらには福田茂といったトップレーサーが長期の制裁(福田は現在制裁中。浜野はSG斡旋停止処分が主だが。)を受けているし、島田信広もまた、選手間におけるトラブルがもとで引退を余儀なくされたという噂がもっぱら。さらにいえば、広木幸生は以前長期の制裁を受け、漸く出てきたな、と思ったらまた長期の制裁を食らっている。
つまりこの業界というのは、選手に対するセキュリティが甘いんじゃないか。ということは、高橋貢事件が発生する「温床」も生まれやすい体質だということ。
そして前日号でも述べたが、高橋はここ半年の間に、少々「異変」と思えるような走りが目立つようになった。そしてムーンライトCCの優勝戦とオートレースGPの初日の走りを比較してみる限り、スタートの出が明らかに違う。
さらにいえば、これも高知の住人さんが書いておられるし、私もそう思うが、高橋ほどの選手が、「あっ、うっかり」なんてことはどう考えてもまず「考えられないはず」であり、確信犯的な部分が多分にあるのではないかと感じるわけである。
そもそも、本件と同件の話については、同じ飯塚で昨年11月に発生しているというし、もっというなら、「新ドライブスプロケット」の交換は2000年に「終えている」はずであり、何で6年も経っているのに、いまだ、
『周知が徹底されていなかった』
なんていう話が出てくるのか分からない。
このあと、日本小型自動車振興会において、高橋に対する事情聴取ならびに、実況見分のようなことも行われて、最終的な処分が下される見通しだが、大方の見方では、さほど大きな制裁にはならないだろうというのがもっぱら。
しかし掲示板でも書いたが、私の希望としては少なくとも、公営競技の一番の原則である、
「公平かつ公正なレース運営」
に相反する行為を行った高橋に対しては、たとえ「うっかりミス」だったとしても、最低でも1年間ぐらいの出場停止処分にすべきだと思う。高橋のような選手だからなおさらである。事情聴取如何によっては更なる制裁を。1節程度で済む問題じゃないよ。
NHKプロジェクトXでみたポップ吉村の1シーンに、スプロケットに穴をアケまくって、極限まで軽量化を図るシーンがあったね。
自動車のトランスミッションを日本語に訳すると「減速機」ですよ。
つまり、毎分何千回転の猛スピードで回るエンジンの回転軸を最終的にタイヤ軸に伝達するには、人力の自転車の「増速」とは逆なわけです。
正直いえば、内燃機関付車両では、0.1グラムでも軽量化したいのが本音では?
確信犯でしょコレは。
以上、素人考えのたわごとでしたw
でも、恐らく、そこまで日動振が踏み込めるかどうか?