映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「グイン・サーガ133 魔聖の迷宮」 五代ゆう

2014年08月30日 | グイン・サーガ
独自の道を歩み始めた・・・

魔聖の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)
天狼プロダクション
早川書房


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ヤガを脱出しようとして捕らわれの身となったフロリーが、
見知らぬ場所で目を覚ます
──グイン・サーガ130巻『見知らぬ明日』はそんなシーンで幕を閉じました。
そしてそれは栗本薫によるグイン・サーガの最後の場面でもありました。
しかし今、途絶したその場所から物語が動きはじめます! 
〈新しきミロク〉に捕らわれたフロリーとヨナを救出すべく、
スカールが、ブロンが、イェライシャが、ヤガの神秘の深奥にいどむ!


* * * * * * * * * *

語り継がれる「グイン・サーガ」の第3弾。
実は五代ゆうさんの著による「131巻」を、
 私らはさんざんけなしちゃったよね・・・。
まあね。悪いけど、「品格がない。デフォルメしすぎ。」
 なんて感じでね。
だから実のところ本巻を読むのも若干躊躇があったのだけれど、
 気になるものは気になるのだ!!
で、今回は?
なんというか以前ほどの違和感はないような気がする。
 というか、緊迫した場面が多くて
 おちゃらけている場合でなくなったのかもしれないけれど・・・。


場面は大きく3つだね。


スカールはスーティーとともに、黄昏の国へ。
 大鴉のザザと銀狼ウーラに出会う。
なるほど、この展開は悪くないよね。
 これまでのグインの世界がちゃんと生きてる。
 スーティーは無邪気で賢くて可愛くて・・・。
 きっと大物になるよね。
 この物語の将来を握っているのはこの子なのさ!
そしてこの二人はザザに導かれ、また一つ長い旅を始めようとするのか・・・。
それもまた不思議な縁の不思議なストーリーになりそうだな。


それから、ヴァレリウス、リギア、マリウスの一行。
パロを脱出して、ケイロニアを目指しているところだね。
 まあ、こちらはメンバー的にもさほど心配はないのだけれど、
 特筆すべきはアッシャという少女の登場。
不思議な力を持っているらしい・・・。
 と、このあたりで栗本グインから離れていきそうなんだけど、
 それもいいかな?という気にさせられました。
そうなんだよね。いずれ、新たな道を行かねばならないのだから・・・。


さて問題は、ブロンとイエライシャという意外な組み合わせの二人が、
 ヤガのミロク教の本拠へ乗り込む所。
 力技では無理なのはわかっているけど、この手は、あまりにもブロンが気の毒というか・・・。
いや~、びっくりしたよね。
 恐れ入りました。
五代ゆうさん、あなたは栗本薫に並ぶ奇想の持ち主です!
前回けなしたことは謝りますです!!
なんでもいいから、フロリーとヨナを助けてあげて・・・


というわけで、ストーリー的にはとてもおもしろくなってきてしまった(?)ので、
 続きもきっと読むと思います。
ただ、描写がかなりグロテスクなところがあって・・・
 そこまでしなくてもって、思わなくもない。
それもメリハリの内、と思うことにしますか・・・

「グイン・サーガ133 魔聖の迷宮」五代ゆう
奇想度★★★★☆
満足度★★★★☆


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