映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

何者

2017年06月04日 | 映画(な行)
就活のヒリヒリ感



* * * * * * * * * *

朝井リョウさんの直木賞受賞作が原作。
豪華出演陣が気になって、見たいと思っていたのですが、
タイミングを逃してしまい見ることができませんでした。
この度ようやく視聴。



拓人(佐藤健)は以前演劇サークルで脚本を書いていましたが、
今はサークルを辞め、就活に励んでいます。
彼と同居している光太郎(菅田将暉)は、バンドを組んでいたのですが、
この度引退して、彼もまた就活を始めます。
光太郎の元カノ・瑞月(有村架純)の友人理香(二階堂ふみ)が、
拓人と光太郎と同じマンションに住んでいたため、
理香の部屋を就活本部として、彼らは度々集まって互いの情報交換をすることになります。

また、理香の部屋には、理香の彼氏・隆良(岡田将生)も同居しており、
彼は就活などくだらないとうそぶいているのですが・・・。



誰もが自分の将来に不安を感じているのですが、
それぞれに不安な本音は決して口にしません。
多大な自意識が溢れ出るSNS。
余裕のあるフリを押し通す会話。
そんな中で一人の内定が決まりそうなときの凍りついた雰囲気・・・。
原作にあったヒリヒリ感がそのまましっかりと画面に溢れ出ていました。



なんだか本当に、今の若い人たちがおかれた立場を思うと、
こちらまで息苦しくなってしまいます。
何社も受けて採用されないというのは、
まるで自分の存在が社会に必要とされないような気がしてくるのですよね。
そんな焦りと不安・・・。



最後の拓人と理香の対決(?)シーンが怖い怖い・・・。
友人たちと共にいても、常にスマホを手にして、
何かを見たり打ち込んだりしている拓人が気になってしまうのですが、
原作を読んでいない方なら、最後に驚きが待っていますよ。



私はみっともなくとも演劇にしがみつき続けている拓人の友人が好きだなあ。
そして、原作を読んだときにも思ったのですが、
この5人の中では、ポジティブで正直な光太郎くんの存在が光りました。

意外と、企業も人を見る目があるなあ・・・なんてね。

何者 DVD 通常版
佐藤 健,有村架純,二階堂ふみ,菅田将暉,岡田将生
東宝



「何者」
2016年/日本/97分
監督:三浦大輔
原作:朝井リョウ
出演:佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之

ヒリヒリ度★★★★★
満足度★★★★☆


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