映画と本の『たんぽぽ館』

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テルマエ・ロマエ

2012年05月07日 | 映画(た行)
コミックの映画化、プロの技



                 * * * * * * * * * 

ヤマザキマリ原作コミック「テルマエ・ロマエ」の映画化。
コミックを読んでいたので、映画は見なくてもいいかと思っていたのですが、
ここ一ヶ月くらい、私が劇場で見た作品といえば・・・
「ヘルプ心がつなぐストーリー」、
「タイタニック」、
「最高の人生をあなたと」、
「アーティスト」、
「昼下がり、ローマの恋」、
「おとなのけんか」、
「別離」、
「汽車はふたたび故郷へ」
・・・ということで、
「タイタニック」は別として、いかにも渋い。
それぞれとてもいい作品でしたが、このあたりで単純に楽しめるお気楽作品を見たくなったという次第。



「テルマエ・ロマエ」はローマの温泉という意味。
古代ローマ帝国の浴場設計師であるルシウス(阿部寛)が、
現代日本にタイムスリップし、
日本の風呂文化を学びローマに持ち帰るという荒唐無稽のコメディです。
原作では短編それぞれが独立したエピソードとなっていますが、
この映画では、ルシウスの出没する日本に常に同じ一人の女性を配し、
一つのストーリーを紡いでいます。
その女性が、漫画家志望の山崎真実(上戸彩)。
原作ではルシウスだけが古代ローマと日本を行き来しますが、
今作では日本側の人物も古代ローマへ行ってしまいます。
そうして映画らしい、ひとつのストーリーとなる辺りが、
なるほど、さすがプロの技と感心させられたりして。



主要な役は日本人を立て、
その他大勢的なところは西洋人を起用。
日本に来て言葉の通じないルシウスはラテン語を話しますが、
ローマが舞台の時には、全て日本語。
この手法は「のだめカンタービレ」と同じですね。
そうか、すでに実行済みのノウハウがあったんだっけ・・・と思いきや、
これはその「のだめ」と同じ武田英樹監督作品でした。
なるほど、納得、納得。


ルシウスがお風呂の渦に巻き込まれ、タイムスリップをするシーンに、
いちいちオペラ歌手が登場し、仰々しく美声を響かせるという演出もすごく決まっています。
それが回を追うごとに次第に変化するところも注目ですよ!
平たい顔族のおじさんたちのほのぼのしていかにも人のよさそうなところも原作そのまま。
見事に原作の雰囲気そのままに、楽しい作品に仕上げてくれました。


なんだか無性にどこか温泉に行きたくなってしまいます。
銭湯もしばらく行っていないなあ・・・。


阿部寛さんは古代ローマの衣装も似合いますが、
でもやっぱり浴衣姿が素敵でした!


そうそう、劇場でコミック「テルマエ・ロマエ 特別編」を配布していまして、
これが、映画撮影の休憩をしていた阿部寛さんのもとに、タイムスリップしてきたルシウスが現れる
・・・というもの。
これは見逃せません。
超お得でした。
感謝!!


“平たい顔族”のみなさん


脱“平たい顔族”の皆さん

「テルマエ・ロマエ」
2012年/日本/108分
監督:武田英樹
原作:ヤマザキマリ
出演:阿部寛、上戸彩、北村一輝、竹内力、宍戸開、市村正親

コミック
→テルマエ・ロマエⅠ
→テルマエ・ロマエⅡ
→テルマエ・ロマエⅢ
→テルマエ・ロマエⅣ

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
ヤマザキマリ
エンターブレイン


テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)
ヤマザキマリ
エンターブレイン


テルマエ・ロマエ III (ビームコミックス)
ヤマザキマリ
エンターブレイン


テルマエ・ロマエ IV (ビームコミックス)
ヤマザキ マリ
エンターブレイン


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