ピアノの先生の生活

ピアノ講師、ブライダル奏者としての日常と
その都度のはまりものへの情熱を綴るくだらな雑記

trip to NY (3-2) 12/26

2015-01-08 00:00:03 | 旅行
マジソン・スクエア・ガーデン(MSG)。
それは私達世代のプロレス好きには憧れの場所だ。
そこでは藤波選手のデビュー戦、ニューヨークの帝王ボブ・バックランド、アンドレ・ザ・ジャイアント対キラーカーン…。
当時新日本プロレスがWWF(現WWE)と提携していたため、あそこから多くのレスラーが来日した。
年末恒例のタッグリーグ戦は「マジソン・スクエア・ガーデン・シリーズ」と名付けられていたっけ。
ちょうど中学生の時にはなぜだかMadison Square Gardenと書かれたスポーツバックが大流行したこともあった。
それを持っているだけで「スゲエ」って言われるやつ。
大抵は紺のバックなのだが、たまに白いのを持っていたる人がいたりすると「ものすごい金持ちなのかも」と
思われるくらい。今のエルメス的な(笑)。
そんなMSGに今私は入ったのである。
    
最近中は改装したらしくとてもきれい。なんだか両国国技館の中に似ている。円形だからかな?

MSGの試合はWWE的にも大切なものらしい。
実は当日、シカゴでも試合があり、そちらとチームが二つに分かれていたのだが、
こっちのメンバーはほぼエースフル投入であった。シカゴはどうなっていたのあろうか?
   

それにしてもニューヨークの客はものすごい。
そもそもが観戦目的が日本とは違うようだ。
家族連れで来て、必ず外の売店で大きな飲み物と大きな食べ物を買い、それを抱えて入って来る。
すでにピクニック感覚と言えよう。
だから始まる前から盛り上がっている。楽しむことに全力を注いでいるのだ。
しかし子供にせがまれるままにどうしょうもない、例えば電飾がくるくる回るベルトとか、点灯し続ける棒とか
後で家で困るようなお土産玩具をたくさん買い与えている親とかたくさんいて、この人たちの金銭感覚を疑うと共に
なんでそんなにお金持っているのか不思議で仕方なかった。下世話だけど。チケット代も安くないんだよ?

試合はまさかの国歌斉唱から始まった。
全員起立にして急に静かになり胸に手を当てている。
最後の曲の盛り上がりでは拍手と歓声が沸き起こる。
この国歌だけで国のカラーってわかるよな。歓声って…

私の隣の席はプオタらしき中学生くらいの男とそれに連れられてきた何も知らないお父さんだった。
子供がお父さんにチャント(コール)を教えたりして微笑ましい。
問題は母の隣に遅れて来た黒人の大男である。推定年齢20代後半。
メインは団体のスーパースター、ジョン・シナ対今やトップヒール(悪)のセス・ロリンズであった。
 シナ     
        セス
 

シナはなんつーかスーパーマン、優等生みたいなものなので、子供が全力で「レッツゴー・シナ!」と叫ぶと
すかさずちょっとひねくれた男たちが「シナ・サックス(最低)!と叫ぶのがセットでお約束になっている。
驚いたことに隣の大男、心の底からシナを応援しているのであった。
だから私の隣のプオタ中学男が「シナ・サックス!」に参加していたら、怒って「シナは正しい人なのだから
そんなことを言ってはいけない」とパパ越しに説教始めたのである。かわいそう~。
いや好きなのはいいけどさ、団体が堂々とエンターティメントを名乗っているのにマジで信じてるこの男。
「正しい」と言われたら盲目的に「正しいものは正しいのだ」と信じる純粋な愚鈍さ。
それも子供ならともかく大人なのである。
もしかしたらこの国にはこんなタイプもたくさんいるんだろうなとちょっと思った。
怒られたプオタ男よ、日本に来るが良い。みんなきちんとセスを評価し、「プロレス」を見ているから。
しかしながらシナが登場した時の他のスターとはケタが違う怒涛のような歓声には圧倒された。
なんのかんの言ったって、彼はこの国のヒーローなのだ。我々日本プオタには計り知れないものかあるのだった。
 
それにしてもここのスターたちは本当に良く働く。
テレビマッチでもないホリデーツアーなのに全力投球でたっぷり3時間、楽しませてくれた。
もっと私の体調が良かったら…。
さすがに今夜は母から睡眠導入剤をもらって寝ることにした。