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ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。

2018-11-02 14:56:47 | Weblog

 多発性骨髄腫のため、余命3年と宣告された、本業カメラマン、趣味が猟師の幡野広志氏が2才の息子へ伝えたいことを1冊にまとめました。

 「優しい子になってほしい」

 これが息子への最大の願い。そのためには、親も優しくならなければならない。では、どうすれば良いのか?

 「相手を慮ったうえで、自分のできる方法で手をさしのべることのできる人」と優しい人を定義し、優しいという言葉に惑わされることなく、強く、厳しいことも伝えることこそが優しさの裏側にあたるのでしょう。息子には、自由に選択でき、何事にも挑戦できる安心を家庭に築こうと努力されています。何事も利他心、失敗を恐れない挑戦心が育まれば、子どもはすくすくと成長するでしょう。

 本書でうれしい考え方、言葉がありました。

 一つは、一人旅のすすめ。~「人の目を気にせず、自分の経験をしたほうがいい。それがきっと、自身につながる。」若い間は一人で旅をすることは自由の発露です。

 二つめは、「面白い人は、自分がしっかりあって、人の目を気にしない人だ。」軸があって、ぶれない。同調圧力にも屈しない。

 三つめは、「どんなものでも、人がアウトプットしたものには、その人の人柄が反映される。」だからこそ、知恵をもって、自分で考えろという提案。アウトプットこそ、その人の人間力。

 私も二人の息子を育てましたが、著者みたいに息子に伝えたいと思うこともなく、息子たちは成人し、社会人として旅立ちました。子どもたちが幼少のころに、阪神淡路大震災があり、生活のベースである書店である店舗に集中していたため、今振り返れば、それに忙殺されていたのかもしれません。今なら、生きる自信もでき、余裕も持てたので、息子たちには伝えたいと思うことがあります。やはり、人は余裕がないとじっくり考えたいと思わないのでしょうか。

『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(幡野広志著、PHP研究所、本体価格1,400円)

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