あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

政治的中立について(自我その5)

2019-01-17 17:51:45 | 思想
日本の新聞社は、こぞって、政治的中立を標榜する。彼らが政治的中立を標榜するのは、権力者から睨まれたくなく、多くの読者を獲得したいがゆえである。しかし、政治を語る時に、中立な立場などあるわけがない。読売新聞、産経新聞が体制に与し、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞が反体制派であることは、ある日の第一面の記事を読むだけでわかることである。愚かしいのは、読売新聞、産経新聞が自民党の機関紙、広報に成り下がっていることである。これでは、彼らが常に批判している北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」、中国の共産党系の二紙「人民日報」「環球時報」と何ら変わりがない。マスコミの最大の使命は権力批判である。なぜならば、権力を持つと、人間は、その権力によって堕落するからである。古今東西、権力者で堕落しなかった者は一人もいない。世界の覇権を握った国で堕落しなかった国は一国もない。情けないのは、日本国民の知的能力である。読売新聞が、日本の最大部数を発行しているのである。ニーチェの「大衆は馬鹿である」の声が聞こえてきそうである。

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