あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

国民の罪(日本、滅びの国へ(その5))

2017-11-09 17:14:41 | 思想
恐らく、今回の衆議院議員選挙も、自民党・公明党が大勝するだろう。国民が、愚かなのだから、どうしようもない。戦前もそうだった。時の軍事政権は、地下資源、土地を求めて、朝鮮半島、中国大陸に兵を進めたのだが、それは侵略行為であり、完全な悪事であるとわかっていたからこそ、それを正当化するために、八紘一宇(はっこういちう・世界を一つの家にすること)、五族協和(日本人、朝鮮人、漢人、満州人、蒙古人が心を合わせ仲良くすること)、王道楽土(おうどうらくど・道徳政治によって各民族が対等の立場で搾取なく強権のない理想郷を実現すること)、欧米からアジアを解放することをスローガンにしなければならなかった。愚かな国民は、それを信じ、もしくは敢えて信じようとして、軍部の侵略行為を支持し、自らも侵略戦争に加担した。そして、軍部の無茶な作戦により戦死者よりも病死者・餓死者を多く出した。言わば、戦う前に既に敗れてしまったのである。そして、日本の軍部による無益な沖縄戦争、アメリカによる無残な広島・長崎への核攻撃によって、太平洋戦争は終結した。太平洋戦争の主犯は軍部であるが、国民も罪は免れない。国民は共犯者である。今回の衆議院議員選挙において、多くの国民は、自民党・公明党を支持している。そのことは、言うまでもなく、安倍政権を支持していることを意味している。安倍政権が、これまで行ってきた政策は、国民を愚弄するものばかりである。秘密保護法、集団的自衛権、共謀罪などの法案の強行採決は、アメリカに媚びを売った政策である。自衛隊員の命をアメリカに差し出したのである。ゆくゆくは、憲法を改正して、個人の自由を奪い、時の政権の思い通りに国民を動かし、徴兵制を導入して、総理大臣が国民の生殺与奪の権利を獲得するだろう。安倍晋三は景気の良さを誇示しているが、景気は全体的には決して良くなっていない。法人税を低くすることで、大企業が潤っているばかりである。そして、彼らは、その利益を内部留保して、労働者に還元しようとしない。最低労働賃金は低く抑えられ、会社に有利な非正規労働者を雇いやすくしている。非正規雇用者が増加し、薄給の彼らは日々の生活に困窮している。当然のごとく、格差が広がり、会社の上役と一部の正規労働者だけが潤っているだけである。安倍晋三は、個人的にも、悪事を犯している。安倍晋三は、森友学園、加計学園に、国有地を安価にそして無料で提供したばかりでなく、補助金さえ付けた。多くの国民は、安倍晋三の悪事に気付いているが、それでも支持しているのである。森友学園、加計学園不正落札の主犯は安倍晋三であるが、共犯は国民なのである。安倍晋三は、国難を言う。国難とは、北朝鮮の暴走、中国の脅威を意味している。しかし、中国の脅威は、安倍晋三自身が、いたずらに、中国を刺激したことからもたらされたことである。北朝鮮の暴走は、アメリカを意識したものであり、日本は眼中にはない。北朝鮮は、核開発や長距離弾道ミサイル実験を繰り返すのは、アメリカに、現政権の存続を認めてほしいからである。アフガニスタンやイラクのように、アメリカから難癖を付けられて、滅ぼされるのを危惧しているのである。安倍晋三は、国難を国民に訴えることによって、自ら指揮権を握り、憲法を改正して、戦前のように、国民の選択の自由を奪い、徴兵制を導入したいのである。国民は、安倍晋三の不正に気付いているが、見て見ぬふりをし、安倍晋三の言葉を信じようとしている。それは、戦前の、朝鮮半島の軍事侵略は悪事だと気付いていたが、軍事政権の八紘一宇、五族協和、王道楽土、欧米からアジアを解放することのスローガンを信じたのと同じである。このままでは、衆議院議員選挙で、自民党・公明党が大勝し、安倍晋三政権は、2020年まで続くだろう。そして、その間に、安倍晋三の思惑通り、憲法を改正して、私(個人の自由)を奪い、公(時の政権の思い通り)を重んじ、徴兵制を導入して、総理大臣が国民の生殺与奪の権利を獲得するだろう。国民は、その時、自らの愚かさに気付くであろう。しかし、その時では、遅すぎるのである。しかし、自業自得の行為だから、自らの愚かさを嘆くしかない。しかし、後生の国民に対して、現在の国民の選択は罪である。


コメントを投稿