あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

自己主張をしない日本人は、永遠に、賃金は上がらない。(提言その4)

2022-06-30 12:16:54 | 思想
日本の企業の賃金が上昇しないのは、労働者が労働組合を作って経営者側と交渉しないからである。しかし、日本人は、自己主張することをためらう傾向がある。日本人は、自己主張することを恥ずかしいと思っている。日本人は、自己主張は卑しいと思っている。日本人は、自己主張はわがままだと思っている。また、自己主張が通らず、自己が傷付くことを危惧している。さらに、読売新聞、産経新聞、週刊新潮、週刊文春などのマスコミ、ネットニュースが労働組合の不祥事を針小棒大に大衆に流し、労働組合の足を引っ張り、労働組合不要論を醸成する。その上、自民党政府は、非正規の労働者を増やし、労働組合を作る能力を奪ってしまった。経営者側は、非正規の労働者ならばいつでも首にでき、労働組合を作ろうとする労働者をすぐに首にするのである。自民党政府は、表面上、企業の経営者に賃金を上げることを頼んでいるが、経営者は応じようとしない。それは、当然のことである。資本主義社会において、資本家は、「生かさぬよう殺さぬよう」程度に労働者の賃金を抑えようとするからである。誰が経営者になっても、労働組合からの下の突き上げが無ければ、賃金を低く抑えようとするのである。自民党は、日本経団連や銀行協会から多額の政治資金をもらい、選挙活動をしてもらっているのだから、経営者に強く言えないのは当然のことである。また、最低賃金制を使って最低賃金を上げようという意見が出ても、最低賃金を上げれば中小企業が潰れてしまうという反対意見が出て、潰されてしまう。ここでも、労働者より経営者を守ることを優先させているのである。資本主義社会において、大企業であろうと中小企業であろうと、時代に合わなくなったら、倒産するのである。そして、時代に合った企業が生まれてくるのである。幼稚な同情心が、最低賃金の上昇を抑圧しているのである。日本人は、政府が何とかしてくれることを、企業者側が何とかしてくれるのを待っているのである。それは、人間を知らない、資本主義社会を知らない者の精神構造である。日本の労働者の性格、無知、頼る心、政府の賃金上昇に取り組んでいないことが、賃金が上昇しない理由である。それでも、日本人は、政府や経営者に期待している。日本人は、正義の権力者が現れて、救ってくれると思っているのである。しかし、権力者は、常に、「権力への意志」に従って行動するのである。経営者側は、どれだけ、黒字になっても、内部留保し、政府は、究極的には、その経営者側の味方をするのである。