あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

自民党的体質の日本を支える大衆

2016-05-31 12:35:12 | 思想
かつて、視聴率の高い、TBSのテレビドラマに、「水戸黄門」という時代劇があった。水戸黄門が、身をやつし、身分を隠して、助さんと格さんを引き連れて、諸国を漫遊し、悪大名、悪代官、悪商人を成敗する物語である。悪人たちと立ち回りになり、悪人たちが、打ちのめされた頃合いに、助さんか格さんが、葵の紋の印籠を掲げて、「さきの副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ。」と言うと、悪人一味は、土下座し平伏して、降伏を宣する。現在、視聴率の高い、テレビ朝日のテレビドラマに、「相棒」という刑事ドラマがある。東大法学部を卒業した、キャリアの杉下右京警部が、警視庁特命係という、仕事らしき仕事のない部署で、相棒の部下を一人従えて、強引に難事件に首を突っ込み、解決していくというドラマである。大衆は、権力者や高学歴の人間に、ありもしない夢を抱いているのである。権力者や高学歴の人間が、いつか、自分たちを救ってくれるのではないかと期待を抱いているのである。そして、自分たちは、何もせず、そのような人が現れるのを待っているのである。それが、両ドラマを高視聴率に導いているのである。しかし、大衆が、どれだけ待とうと、権力者や高学歴の人間は、大衆の意を酌んでくれない。彼らは、その権力や高学歴を生かして、自分たちの利益を最大限に求め続ける。それは、集団的自衛権の国会成立、原子力発電所の再稼働に、如実に現れているではないか。世論調査で、圧倒的に、集団的自衛権の成立に反対・原子力発電所の再稼働に反対の結果が出ても、自民党を中心とした勢力は、強引にそれを推し進めたのである。しかし、それでも、大衆は、待ち続けるであろう。自民党は、安泰である。毎日、ニーチェの「大衆は馬鹿だ」の声が聞こえてくる。