安陽市内と紅旗渠の往復に使ったタクシーの話あれこれです。
タクシーは、宿泊先である安陽賓館の前の道路上の流しのタクシーです。割と綺麗そうなタクシーを選んで乗り込み、「紅旗渠へ行くか」と尋ねると「行くけれど、幾ら出す?」とメーターを倒す手を止めて価格交渉です。「往復だ、紅旗渠へ行って一寸見て、また安陽賓館に戻るまでだ」と言うと、「300元(約5000円弱)、途中の通行費は別」というオファーでしたのですぐOKしました。結局片道2時間、45分間の見学というスケジュールで半日つぶれましたが、紅旗渠へ行って実物を見ることが出来ました。価格固定なので、メータは倒さないままです。因みに通行料は、往行20元、復行30元(高速料金)でした。中国では、一般道路でも通行料をとるところが今もあります。
安陽から西に走り、林州市に入り林州市の政府所在地から北に向かい、林州市の西北のはずれ、もう少し行くと山西省というとこあるに紅旗渠の観光地である青年洞に行きました。行きは普通道を走ったのですが、対面交通の狭い道を運転手がガンガン飛ばして追い抜きをかけ、向こう側からの車が警告のライトを照らす中、ひやひやしながら走りました。途中雲行きも怪しくなり、心配しましたが、青年洞を見終わる頃にポツリポツリ雨が降り出し、帰りは本降りになりました。帰りは高速道路を使ったのですが、殆ど車が走っていない状況で暗くなった雨の道を走りました。
そのタクシーの運転手と長い時間一緒でしたので、道すがら世間話をしましたが、その一部を紹介します。
タクシーは武漢で作ったフランスシトロエンです。写真を添付します。天然ガスステーションでガスを補給しているところです。補給してくれたのは、女性ですが、写真は撮るなと言って写真右側に外れたので、青いズボンしか写っていません。最後にガス抜きをするので、ガスが飛ぶと警告し、後ろにさがれと言われたので、この角度の撮影となりました。
燃料は普通ガソリンですが、最近ガソリンの値上がりが激しく、天然ガスは比較的安定しているので、最近は天然ガス専門とのことです。ガソリンで一度満タンにすると600キロは走るが、天然ガスは200キロしか走れないとのこと。ガスの補給ステーションは安陽市街地の外れにありましたが、割と不便な所にあり、日本と同じと思いました。
タクシーは運転手二人で1台を請負い、毎月会社に一定の賃料を払い、残りから燃料代等消耗費を払い、残りが運転手二人の手取りとなります。毎日一人12時間で交代し、毎月の半分が昼間の12時間、残りの半分が夜間の12時間です。休日はありません。休みたいときは、誰か代わりに走る運転手を探します。人に又貸しとなるので、事故は起きないか心配で、実質休みは取れないとのこと。人はまだ12時間で交代できますが、車は休みなしです。タクシー車はすぐ壊れると言われていますが、自家用車とは使い方がまるで違うのでもっともなことです。
夜勤の時は、当然昼間寝るわけですが、十分な住宅事情でないし、特に夏は暑いので、睡眠は不十分になってしまうとのこと。こんな過酷な勤務で、毎月手取りは3000元(約4.8万円)程度とのことでした。
この運転手は26歳だそうですが、もう結婚していました。仕事が過酷な分だけ実入りがよいのでしょう。彼は、学校卒業後政府機関の食糧備蓄倉庫に就職したが、最初は400元/月、1年たって600元/月で馬鹿らしくなって辞めたというか将来に見切りをつけてというか、現職についたというわけです。
因みに中国人は、年齢について今でも数え年(中国語では虚歳といいます、実年齢は実歳といいます)を使うので、人に年を聞いても、日本の実年齢とは違う場合があります。12月31日生まれの赤ちゃんは1月1日に2歳になります。
中国のタクシーは強盗除けに運転席を防護する柵やプラスチックの透明な仕切りを入れますが、安陽は強盗は多いかと尋ねると、「安陽の運転手は殆ど誰でも経験しているのではないか」と答えました。この運転手も、1度深夜男女の客を乗せて、田舎に行くと突然停車を命じられ、男に殴られて代金を踏み倒されたとのこと。金は取られなかっただけましと思いましたが、運転手は、「警察が強盗の情報を封鎖するので、偉い人は知らないが実際はひどいものだ」と憤っていました。
その頃から全体的に不満がいろいろ出ました。「最近は何でもコネがないと何もうまくいかない。警察も、学校も、役人、医者も・・・」と。
話をがらっと変えて、安陽でアパートを買うと幾らくらいかと聞くに、2000元(約3.2万円)/平米程度かなとのこと。上海のセンターでは3万元はすると思います。中国の建売アパートは、内装なしで売られ、買い主が別途内装工事を外注する形をとっています。上記価格は内装含まないコンクリート打ち放し価格です。
こんな雑談をしつつ、車に乗っていました。
(画像を大きくしたりコメントを見るには、標題または画像をクリックしてください。また、例えば下の「コメント(2)」の数字(2)をクリックしてもコメントを見たり書いたりできます)
ぜひ投票を!
と
をクリックしてください。