おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

ロッキー・ザ・ファイナル

2024-04-01 06:58:29 | 映画
2019/1/1より始めておりますので10日ごとに記録を辿ってみます。
興味のある方はバックナンバーからご覧下さい。

2019/10/1は「大脱走」で、以下「タイタニック」「大統領の理髪師」「ダイ・ハード」「台風クラブ」「太平洋ひとりぼっち」「大菩薩峠」「大菩薩峠」「大菩薩峠 第二部」と続きました。

「ロッキー・ザ・ファイナル」 2006年 アメリカ


監督 シルヴェスター・スタローン
出演 シルヴェスター・スタローン バート・ヤング
   アントニオ・ターヴァー ジェラルディン・ヒューズ
   マイロ・ヴィンティミリア トニー・バートン
   タリア・シャイア マイク・タイソン

ストーリー
ロッキーが伝説のヘビー級王者として激闘を繰り広げていた時代から長い年月が過ぎた。
老境に入ったロッキーは現在も名士としてファンに愛されながら、地元フィラデルフィアで今は亡き妻エイドリアンの名前を冠した小さなイタリアン・レストランを経営し、かつての自分の活躍を語り部としてレストランの客に聞かせる生活を送っていた。
エイドリアンの命日、独立した息子ロバートが墓参りに訪ねてこないことを寂しく思いながら、義兄ポーリーと共にエイドリアンとの思い出の地を巡り、フィラデルフィアで過ごした青年時代を回顧する。
ある日テレビ番組の企画で、現世界ヘビー級チャンピオンであるメイソン・ディクソンと現役時代のロッキーとのバーチャル試合が組まれ、大きな話題となる。
コンピューターが弾き出した試合の結果はロッキーのKO勝利、評論家も大半がディクソンよりもロッキーを評価していた。
しかし、ロッキーがたまたま目を留めた次の週の番組では、別の評論家が「ロッキーは既に過去の人間であり過大評価されているだけだ」と試合結果に対して痛烈な批判を浴びせていた。
それを見たロッキーは、自分の中にボクサーとしての情熱が蘇ってくるのを感じていた。
ライセンス発行を渋る体育協会を説得し、ロッキーはプロボクサーとして復帰。
しかしローカルな小試合での復帰戦を目指していたところへ、唐突にディクソンとのエキシビジョンマッチが申し込まれ、それを知ったロバートは、偉大なボクサーだった男の息子であることの苦悩を父にぶつけるが、ロッキーは逆に困難に立ち向かうことの大切さを説き、ロバートに復帰への協力を求める・・・。


寸評
「ロッキー・バルボア」という原題が示す通り、これはロッキー・バルボアという男の辿った人生物語だ。
16年ぶりとなる続編で、ロッキー(シルヴェスター・スタローン)は歳をとっているし、第一作からの出演者であるポーリー(バート・ヤング)も、元はアポロのトレーナーだったデューク(トニー・バートン)も皆歳をとっている。
16年も経ってからの「ロッキー」なので当然なのだが、その間にスタローンの演出力も上達していたようだ。

まず、息子のロバート・バルボア・ジュニアが父親の名声のために苦しんでいる姿が描かれる。
何かにつけ父親が引き合いに出され、時には父親の名前は役に立たないぞとかの嫌みも浴びせられる。
何処に行ってもロッキーの息子と言われ自分を見失っているようだ。
独立したロバートはロッキーの店にも寄り付かないし、どこか避けているようで母の墓参りにも来ない。
当然会話も少なく、親子としての絆も切れてしまっているようだ。
そんな息子にロッキーは「自分の失敗を人のせいにするな!」と叱る。
著名な父親を持った息子が実力を発揮できずにもがいている姿が、しつこくない程度に上手く描けている。

現役時代に説教して家に帰した不良少女が今は中年女性となっていて、ジャマイカ人との間に出来た子をかかえてバーテンダーをしている。
ダンナは蒸発していて、ロッキーはその親子に何かと世話を焼く。
その姿は疎遠になったロバートの身代わりとしてつくしているようでもある。
ロッキーはその中年女性マリーを自分のレストランで雇うことにする。
かつてのエイドリアンの姿を見たのかもしれない。
ロッキーは癌で亡くなった妻のエイドリアンを今でも愛していて、店の名前をエイドリアンとしているし、二人の思い出の場所巡りを毎年の命日に行っている。
それを知るマリーは陰ながらロッキーを思いやる。
かつて戦った相手も店の常連客として登場しているが、昔説教したことのあるこの中年女性の登場は良かった。

エキシビジョンマッチを行う相手は現ヘビー級チャンピオンのディクソンなのだが、このチャンピオンは強すぎて人気がない。
すぐに相手をノックアウトしてしまうので試合が面白くないのだ。
人気が出て興行収入が得られると言うことでロッキーとの対戦が組まれるのだが、さすがにこれには違和感があって、50代の男がいくら鍛えたからと言って、現役のチャンピオンと互角に戦えるほどボクシングは甘くないと思う。
しかし、それを見せるのが映画だと言われれば一言もないのだが。
実際、試合のシーンは応援するロッキー側の様子も挿入されて盛り上がりを見せる。
映画の力はスゴイと感じさせる。

エンドクレジットで、フィラデルフィア美術館の階段を駆け上がりジャンプする人たちの姿が映し出されるが、僕だってあの場所に立てば同じ行動を取ってしまうだろう名シーンだ。
でもそれは第一作で描かれていたシーンだった。 やはり「ロッキーシリーズ」は第一作だ。