まだ10月の渓が残ってはいるものの、今年の渓流シーズンも終わりを迎えました。
今年もたくさんの渓を歩きました。東北方面へ一度も釣行出来なかったのは心残りですが、楽しいシーズンでした。楽しいことではありませんが、振り返るとこんなことも思い起こされます。
3)6月の狩野川支流で、ミノーボックスを落としたこと
この日は芦ノ湖での取材後、午後から狩野川へ足を伸ばしました。取材では首尾よくブラウンの顔も見れ、機嫌を良くしての狩野川釣行だったと思います。
されど期待に反してこの日の狩野川はなかなか難しく、良いアマゴは出せないまま移動を繰り返していました。
浮かぬ顔で車に戻り、一旦ベストを脱ぐとポケットのチャックが開いていることに気が付きました。ミノーボックスも見当たりません。
慌てて心当たりの流れ、岸辺を探し歩きましたが結局見付けることはできず。
悲しかったなぁ。
リップが削れて変形するほど何シーズンにも渡って使い込んで、たくさんのトラウトを連れて来てくれたミノーが何本も入っていましたからね。
ミノー作っているんだからいいじゃん、なんて言われたりもしましたが、そういう問題じゃなかったんですよ。
ミノーはいつもたくさんの方々をお待たせしてしまっているので、そう簡単に補充もできず、その後のシーズンのやり繰りには苦労しました。
結局MDⅡは最後まで一本も補充できず、2~3本補充できたDDでしのぎました。
2)7月末の高原川本流で、壁にへばりついたまま身動きが取れなくなったこと
二度目の高原川遠征でのことです。
増水の中イワナが良く釣れ、そのままバックウォーターまで釣り下りました。高原の増水は場所によっては結構ハードですから、川通しで戻るのを避けて退渓点を探したものの良い場所が見つかりません。上がりたい車道はすぐそこに見えているので、思い切ってゆく手を阻むコンクリの壁にしがみつきました。
遠方から見るとさほどでなくとも、実際はかなり傾斜のある壁です。というより垂直に近いと言った方が的確でしょう。
見上げた時は上からぶら下がっている蔦の、なるべく太いヤツを選んで補助とすれば登り切れるという判断でした。
ところが慎重に足を掛けて登り、あと50cm手を伸ばせばてっぺんに手が届くあたりで動けなくなってしまいました。次に考えていた足掛かりがどうしても掛からず、片手を伸ばしても届かず、頼りは右手で掴んでいる蔦のかたまりだけです。ダラダラ流れ落ちる汗は半分冷や汗か、判断が甘かったようです。
最善の手を探すもどうにもならず、降りるのもリスクでしたが手足もプルプルでそろそろ限界。蔦を頼りにズリズリ下降して事なきを得ました。
行きはよいよい、帰りは怖い。高揚しているとついつい軽率な判断と過信に陥りやすいものですね。
1)7月頭の高原川支流で、クマにバッタリ遭遇したこと
この件はブログで少し触れましたね。この遠征では本流でも支流でも好釣果で、気分良く支流を釣り上がっていました。
ふと上流を見ると増水の中、何か大きな動物が泳ぎ下ってきます。初めはイノシシと思ったそいつはあっと言う間に流れ下り、私に近付いてきます、この時ようやくそいつがクマであることに気が付きました。
真っ黒な、少し若く見えるツキノワグマです。
そのクマは流れ下りながら私を片目でジッーと凝視し続け、こともあろうか私が立っている岸辺のすぐそば、2mぐらい下流にそのまま上陸!手を伸ばせば届きそう!
え~ そんなのあり?
幸運なことに、釣り人登場はクマにとっても想定外の出来ごとだったようで、私以上に慌てふためき猛ダッシュで林の中へ駆け込んで行き、こちらも事なきを得ました。
クマを見つけてからクマが走り去るまで僅か10秒かそこらの出来事だったでしょうが、今でもスローモーションのようにくっきりと思い出せます。
その10秒の間、私が何をしたかと言うと・・ただ目を凝らしてクマとにらめっこ。いざとなると動けないものですよ。
知床などを除き、本州の渓でクマに鉢合わせしたのはこれが初めて。足跡や糞は時々ありますし、嫌な気配、臭いにいそいそと退渓したこともありますが、今までが幸運だったのかもしれませんね。
渓流師たるもの日頃からホイッスルを常備するのは当然ですが、山深い渓に潜り込む時には非常用にナタぐらいは携帯しましょう。教訓としてむやみに恐れず、準備はしっかりと。
以上、パッと思いだしたものを書いてみました。
毎度のことですが、反面教師にして下さいね。
おはようございます。
ルート探しも渓を歩く楽しみの一つですよね。
私も川通しで戻ることはよくありますよ。
川通しでも、下りはケガに繋がりやすいですから、お互いに気を付けましょうね。
おはようございます。
同じ垂直系でもコンクリの足掛かりが少ないタイプは厳しいです。
クライマーの凄さを思い知らされた10分間でした。
おはようございます。
久し振りの冷や汗でした。
鍛え直さなくてrはいけませんね!
私もいざ、という時はセミのように飛べるんですけれど、今回はあえてズリズリ降下してみました(汗)
渓流って、いざ脱渓しようと思うと、なかなか林道や
車道まで出るルートが見つけられず、焦る時があります。
仕方なく川通しでかなりの時間を歩いて入渓地点まで
戻った経験も(^^;
一昨年初めてご一緒させていただいた富士川水系の釣行で、ほぼ垂直の斜面をサクサク上って行った小平さん…
(私は半泣き…いや、ホントに泣いてました)
その小平さんが動けなくなるって…高原川の壁恐るべしですね。
さらに親近感。。
通称「セミ」はほんとに怖いし心細いですよねー