シーズンのラスト釣行ともなると、何処へ行こうか悩みませんか。地元の川も良し、遠征も良し。
私は一応の締めくくりとすべく先の週末、千曲川へと出掛けてきましたよ。実は千曲川を選んだことにさしたる理由はありませんでした。当初は天竜川水系に行こうと中央道を走りながらの挙句、何を思ったのか須玉インターで急遽ハンドルを切っただけのこと。
少し気の効いた人は ‘何か予感がした‘ と言うのかもしれません。‘何かに導かれて‘ なんて表現できる人はきっとスピリチュアルな魂の持主ですね。しかし私の場合はいつものただの気まぐれ、迷走と呼ぶのがきっとふさわしい。
それにしても千曲川は今年一度も釣行していませんし、今年どころか昨年も、一昨年も未釣行です。最後の釣行はいつだったか、少なくとも数年前まで遡らなくてはならず、頭に入っているデータも古くて大してアテにならないと思われますが、そこは迷走上等の覚悟で乗り切ろうということです。
朝から潜り込んだのは、支流のこんなボサ川。
締めくくりの釣行で朝からこんな細流を選ぶのには訳があった。両岸をびっしり覆う背丈より高いボサ、張りめぐらされたクモの巣をくぐり抜け的確にキャストしなければ、ヤマメもイワナも顔を見せてはくれない。
自分は今シーズン、少しでも成長できたのだろうか。
そんなことを確かめたくなった時、このようにテクニカルなボサ川を選んでは潜り込んでみたりする。マゾ的心境だ。
秋の準備を済ませたヤマメ。
一見するとアマゴを思わせるが、これは朱点が側線上に並んで浮いている点からみて‘朱点ヤマメ‘ではないだろうか。
このボサ川ではこんなふうに、飽きない程度にヤマメが顔を見せてくれた。しかし決定打は出ない、ふう。川歩きは楽しいよ、釣れても釣れなくても。けれど今シーズンは8月から苦戦が続いている。
9月を振り返ってみても、 9/3~4 高原川 イワナもヤマメも25cmぐらいまで。あちこち転戦してようやくカタチにした印象。 9/5 夕方だけ狩野川 アマゴ25cmにも届かず。 9/12 朝だけ中津川 バラシのみでボ 9/20 昼過ぎまで狩野川 綺麗なアマゴ数匹、18~20cmほどばかり。 9/24 午前中、道志川 20~23cmのヤマメが数匹。 9/27 昼過ぎまで狩野川&河津川 20cmほどのアマゴが片手ほど。
といった具合。
釣れない訳ではないのだけれど、例年以上に数、サイズともに厳しいのは確かだった。渇水は事実でも、言い訳にしたくなかったから出来る限り時間を作って川へ向かった。
それでも思うような結果は出せなかった。昨年は最後まで安定して良かっただけに、その差は大きかった。
このボサ川から退渓し、支流を変えるべく車を走らせる。国道を走りながら、目に入った細流が気になった。次の信号でハンドルを切り、助手席の相棒に言う。
‘今の小さな川、出るかも‘
相棒はまるっきり信じていないがそれも仕方ない、一見するとそんな流れ。ちょっと待っててと川へ降りてゆく私。
名も無いほどの細流に差してきていたヤマメ。
パッと目についたポイントにキャスト、ソリスト50DDのトゥイッチに下から踊るように猛然とチェイス。足場の悪いところでかけたために一瞬主導権を握られ、ボサに絡まれかかったものの、うまく外れてくれた。
ここのところの苦戦をようやく少し払拭してくれる、♀ながら嬉しい尺上でした。
普通なら見逃してしまうほどの細流でしたが、ふと気が向いた。千曲川といいこの細流といい、私の気まぐれもたまには当たるようですね。
完敗、完敗、完敗・・・乾杯。
そんなところでしょうか。
写真データ)
尺ヤマメの写真四枚中、上の二枚はホワイトバランスを蛍光灯レベル(約4000k)で撮影し、あとから少し補正をしたもの。三、四枚目はオートで撮影したもの。
私的に蛍光灯レベルは水中の冷たさが感じられるようで好きなのですが、青白すぎて実際の魚の色合いはやはりオートがより近いですね。写真は難しいです、もっと勉強しなくては。
ペアリングする赤トンボ。色気付いていたのはヤマメだけではありません。
顔を見れたので10時には切り上げ、草津の湯にゆったりと浸かり、これにて一区切り。
と言いつつ10月の渓にも行きますので、もう少しお付き合いください(笑)
千曲川(支流)タックル
Rod:レヴェルトラウト5.0MT Reel:ヴァンキッシュ2000+ナイロン4lb Lure:ソリスト50DD、40DD、ソリストシャッド、40MD、50MD 偏光サングラス:Talexイーズグリーン
Report by 小平