お馴染みのGijieが創刊20周年を迎え、記念号が発売に。
何よりもまずはおめでとうございます。作業の合間に熟読。あの記事、この記事、懐かしいなあ。
今回の記念特集は‘後世に残したいあの日の鱒‘、私も少し登場しています。
かつて自身がGijieに掲載されたものの中から、印象深いトラウトと掲載記事を選んで欲しいという依頼でした。
まずは08年の短期集中連載 ‘モンゴル釣り紀行 チョロート川でのタイメン110㎝`を選ばせてもらいました。
もうひとつは、こちらも連載をした‘ミノーチューニング講座‘。これまで芦ノ湖の記事を多く書かせてもらってきたので、芦ノ湖も入れたくて少し悩んだけれど、かつてもった連載をふたつ。
チョロート川は開高さんの名著 ‘オーパ、オーパ!!‘で憧れ、実際に初めてこの川を崖の上から見下ろしたときの心の震えを忘れることはありません。
大草原をどこまでも行くと、大地に突然大きな亀裂が走り、その下を悠々と流れるスケールの大きさ。川通しが限られるので、ポイントごとにこの崖を上り下りすることで溜まる疲労。
けれどよいサイズが釣れなくて、釣れなくて。最終日の前日についにヒットしたデカイのを痛恨のバラシ、翌日タイムアップ寸前にやれる場所がなくなって、覚悟を決めて同じポイントに下り、同じミノー115㎜MDを結んだらヒット、110㎝。
手首がすっぽり入るんじゃないか、そのぐらい大きな口。
チョロートにはもっと大きいのがいることは知っていたけれど、まずは目標が1mだったので嬉しかったな。崖の上から大声を出し、大きく手を振りともに喜んでくれたモンゴル人のガイドたち。彼らもクタクタだった。旅を一緒した仲間との握手。
黒よりも黒い闇とともにある夜、牛馬の糞を燃料に火を起こすストーブが暖かい、遊牧民のゲルでの寝泊り。夜半、オオカミが出たと銃を担いで馬にまたがる若者。呪われそうな星々。このゲルで発酵させたチーズに馬乳酒、その匂い。言葉少ない彼らの素朴さ、逞しさ。キリがないな。
モンゴルへはこのあとも再訪したけれど、この時は80㎝までだった。どうもやり残したことがある気がするんだよな。
いつかまた行けるだろうか。
釣り人として、いまでも心から感謝している連載です。
これからも硬派なGijieさんであり続けて欲しいものですね。