愛知のMINIさん、土曜日に木曽川本流で凄いイワナをソリストシャッド50で捕獲です!!
鼻曲がりのカッコイイ♂47cmですよ。
数分間のやり取りを近くで見ていましたが、いくらかのされながらもよく獲りましたねぇ。ギリギリのやり取りは見ているこちらにとっても緊迫の数分間でした。ミノーを丸飲みが吉と出たようですね。
再びMINIさんのメモリアルワンに立ち会わせていただけるなんて、光栄です。本当におめでとうございました。お預かりした写真とレポートを早速どうぞ!
最後の最後にソリストシャッドをマスターするコツを書き添えてみました。参考にして下さい。

【6/30 木曽谷の大イワナ】
10日程前「長良川か木曽川上流へ釣りに行きませんか」と、小平さんから携帯にメールが入った。
小平さんとは昨年11月に芦ノ湖で一緒に釣りをさせて頂く機会があったが、川でご一緒するのは初めて。
アプローチやルアー操作を間近に見られる良い機会と思って、ご一緒させて頂くことにした。
釣行日は6/30(土)、行き先は信州木曽川上流に決定。
小平さん、私、そして都合のついたkiyoさんの3人での釣行。
当日は朝4時に木曽川近くのコンビニに集合することになり、集合時間の15分前頃に到着すると既に小平さんが来ていた。
ちょうど集合時間の4時に携帯が鳴った。
「すいません、今、起きたとこです。これから向かいます」。
というkiyoさん眠そうですまなさそうのな声。
仕方ないので小平さんと私は、コンビニで簡単な朝食を済ませ、入漁券を購入。装備と整えて二人で先に釣りをすることに。
まず向かったのは、1年前、kiyoさんに案内してもらったコンビニ近くの本流ポイント。今年の梅雨が雨が少ないためかなりの渇水。
そこで小平さんは20cmほどのアマゴをキャッチ。私は数回、バイトはあったものの釣果ゼロ。かなり厳しい反応。
次は小平さんが過去に実績のあったという木曽川上流の笹川へ移動。
川幅はぐっと狭くなり、アマゴというよりイワナが居そうな感じの流れ。
日も高くなり、渇水という状況下、小平さんのアドバイス通り、対岸のシェイドにミノーをキャストすると、どこからともなく黒い影がスーッと出てきて、グンとミノーを咥えた。小型ながら綺麗なイワナである。
そのポイントを釣り下りながら2人で18~23cm程度のイワナを数本づつキャッチすることが出来た。
型は大きくないものの、そこまでシビアな状況だったのでホッとする。

そうこうしているうちに時間は9時過ぎ。
kiyoさんから携帯に「今、木曽川に着いたので、2、3箇所気になるポイントを攻めてから合流します」との連絡。
小平さんと私は合流場所の木祖村役場前の流れで少し釣りをしながら待っているとkiyoさんが到着。
3人で「次はどこに入ろうか」と相談しているところに、漁協の監視員の方が到着。タナビラ(木曽ではアマゴのことをこう呼ぶ)やイワナを狙うならどこがいいですか、という我々の質問に対して、支流の名前や本流のポイントをいくつか教えてくれた。
しかし、支流に入っても渇水で状況は厳しいだろうと考えた我々は、漁協の人が「最近、大きなタナビラが出たと報告があった」と教えてくれた本流のポイントへ行くことに決定。
そこは3人とも初めてのポイント。漁協の人に教えてもらった入川経路辿って駐車スペースに到着。
川に降りると、大きな岩が点在し、水量もまずまず。上流に見える大きなプールからチャラ瀬、釜、瀬とポイントが連続して下流に続いているなかなかいい感じのポイントだと思ったが、釣りを終えた餌師2人の姿が目に入った。
餌師が釣った後のポイントでちょっと厳しいかなと思ったものの、3人は思い思いのポイントに入り、しばらくすると50m程上流に居たkiyoさんが早速24cmアマゴをキャッチ。
私は川に降りたすぐ目の前のポイントへ。手前の流れから攻めるも反応なし。
川の中程に大きな白い岩があり、その両側を激しく水が流れが落ちて、白泡が広がる大きな釜が見える。婚姻色のウグイの群れが見える。
流れに足元を取られないよう慎重にその白い大岩の上に立った。
激しい流れを攻めるためミノーはソリストシャッド50ヤマメを結ぶ。
下流を向いたスタンスをとり、右斜め45度くらい下流へキャスト。
流れに押されるのを利用し、左へゆっくりミノーを移動させながら流芯を通し、白泡の切れ目までダウンでミノーを流す。
渇水で時間は真昼間、更に餌師が攻めた後なので、魚は酸素量が多く、水温の上がりにくい水深のある早い流れの下に居るのではと考え、再度、同じポイントへキャスト。
着水後、リールのハンドルをあまり巻かずに流れを利用しながら、右から左へ白泡の下で、一定のレンジを水平移動させながら、流芯の下に居るであろう魚の鼻先へ送り込むようなイメージでロッドを動かしていく。
ラインがちょうど目の前に来た時、“ドスン”という衝撃と共にリールのハンドルが止まり、ロッドがいっきに絞り込まれた。
次の瞬間、見たこともないような茶色の大きな魚が白泡の中から水面に飛び出した。背中側(上流側)にいる小平さんとkiyoさんに状況を伝えようと、咄嗟にデカイッ”という大声が出た。
水面に一瞬姿を見せた魚の色と大きさから、ブラウン?ニゴイ?
かと思ったが、バットから満月のように曲がるショートロッドで水中へ突っ込む魚に耐えた。
やっと水面に浮かんだ魚のヒレの縁が白い。イワナだ!
とんでもない大きなイワナがソリストシャッドをほぼ丸飲み状態。
ラインはナイロン4lb。前日に巻き替えたばかりだが無理は出来ない。
なんとかイワナの突っ込みに耐えるものの、大きさに加えて強い流れのド真ん中で掛けたため、魚の重さに水圧も加わり、なかなか寄せることが出来ない。
大岩の上からではランディングも難しいと判断。足元を見ると川底に白い石が見えたので、おそらく水深は深くても腰くらいまでだろうと思って、石の下に飛び降りた。
バシャーンと水中に降りると、想定した通り腰まの水深でうまく立てた。
イワナもバレてない。(後で聞くと、小平さんは、私が足を滑らせて落ちたと思ったらしく、kiyoさんは私がイワナをダイビングキャッチしようと見えたらしい)
イワナは逃げようと物凄い力で走る。もう一段下の落ち込みへ走り込まれたら、ラインブレイクは間違いない。それだけは絶対に阻止しなければと思いながら、ロッドで耐える。
ラインブレイクとフックの伸びを避けるため少し緩めたドラグが“ジーッ、ジジーッ”と鳴り響く。寄せては走られ、浮かせては水中に突っ込まれること数回。
これ以上時間がかかると、フックが持たないと思い、今、自分が立っている緩流体へ魚を誘導、水面に顔を出したイワナがランディングの射程距離に寄せてきた。
ランディングネットに手を掛けた瞬間、まるでそれを見ていたかようにイワナが再度、下流へいっきに走る。
掴んだランディングネットのグリップを離し、再度、両手でイワナの逃走に耐える。その時、心臓はバクバク、「ここでバラシしたら一生後悔する」
なんとしてでもキャッチしたい、その思いだけが頭をよぎる。
再度、目の前の緩流体へ上手くイワナを寄せて、水面に浮かせることが出来た。
「よっし、ココでキメルぞ!」とランディングネットを持ち、水面に出てきたイワナを見て、「ヤバイ、でか過ぎてネットに入らない!」と思った。
イワナが暴れないよう慎重に水面を滑らすようにゆっくり手前に寄せて、頭から一気にネットイン。「入ったっー!」大きな声で叫んでいた。
後ろを振り返ると、心配そうに見守っていた小平さん、kiyoさんのほっとした笑顔が目に入った。
どれほどの時間、このイワナとファイトしたのだろうか?
おそらくほんの数分だと思うが、自分ではとても長い時間に感じた。
足元には、鼻曲がりの厳つい顔をした太い体と大きなヒレの雄イワナが横たわっている。kiyoさんがメジャーで計ると47cm!
ソリストシャッドのフロント、リアのフックがそれぞれ1本づつ大きく開いて、外側に伸びてしまっていて危なかった。

小平さん、kiyoさんが「おめでとうございます。よかったですね!!」と言ってくれた言葉と固い握手で、ようやくとてつもない大物を手にした実感が湧いてきた。
今回のヒットルアーはソリストシャッド50SS(ヤマメカラー)。
実は、これまで渓流では50、50MD、50MDⅡをメインに使ってきたのだが、最近、とあるショップでソリストシャッドを見かけて購入。
唯一保有しているソリストシャッドが幸運をもたらせてくれた。
ソリストシャッドを使ってみた感想は、素直に飛び、強い水流の抵抗を受けるダウンの釣りでも安定した姿勢でシャローレンジをトレース出来る。
今回のように、流れの中に潜む魚の鼻先へ送り込み、じっくり見せるようなダウンの釣りには最適なミノーだと感じました。
小平さん、kiyoさん
お疲れ様でした。
今回、記憶に残るイワナをキャッチすることが出来たは様々な偶然と奇跡の積み重ねだと思います。
小平さんから釣りに行きませんかという誘いのメールがなかったら木曽川へ行ってなかったですし、Kiyoさんの寝坊がなかったら、あの場所で3人が集合し、漁協の監視員の人からポイントの情報を得ることもなかったでしょう。
そう考えると、今回の大イワナは全てが偶然、奇跡、そして縁によって、手にすることが出来たメモリアルワンです。
本当にありがとうございました。
【タックル】
ロッド:4ft11inc
リール:ダイワセルテートヴィンテージカスタム2004
ライン:GT-Rピンクセレクション4lb
ヒットルアー:ZANMAIソリストシャッド50SS(ヤマメ)
フォトダービーエントリー2011 Stream
Photo&Report by MINIさん
私もカメラを持って川へ降りていたので、横から少し撮らせていただきました。
リリースも無事に済み、もとの流れにゆったりと戻って行く彼をMINIさんと見送ったのでした。
ps、ソリストシャッドは使い手によって得意、不得意があるようですね。シリーズの中で最も安定感があり、支流・本流、アップ~クロス~ダウン問わず使いやすいミノーではないかと、制作者である私は思っています。
強い瀬もクロスからダウンでキレイに泳ぎ切りますよ。ショートリップであまり潜りませんから、DDなどでは岩の隙間などにリップが突っ込んで根掛かりしてしまうような流れでも安定して使用できます。
MINIさんもレポート中で触れていただいていますが、‘狙うポイントに送り込んでトラウトの鼻先で誘う‘ のも得意技の一つです。
本流などで流芯が強く長い場合は流芯に乗せて、ラインに緩いテンションを掛け任意のポイントまでミノーを送り込み、バシッと誘います。
それほど強い流れでなかったり、どうしても流芯が短くなってしまう釜などが絡む場合はラインスラックを上手に利用して、誘いながら常に細かくピンを意識して軽く送り込んでいくのがコツです。
パッと見ると体高があり、黙っていてもヒラを打つように感じるでしょうが、そうではありません。安定感を出すためのあのデザインですので、アップのヒラ打ちでは慣れていないとアクションに差が出るでしょう。小さく連続した手首の返しで、少し強めにヒラを打たせてみて下さい。
ソリストシャッドはMDやDDなどど比べると勝手に動いてはくれません。使い手の意図や理解度、腕に応じて様々な表情を見せるミノーです。
この点が ‘どう使っていいかわからない‘ という声をしばしば耳にする原因なのだと思いますが、コツを掴み一匹を手にしてしまうと虜になってしまう方も多いようですね。ぜひマスターしていただきたいミノーです。
瀬や、川幅のある流れでミノーサイズを上げたくない時に、特にオススメです。淵、トロ場などでは自重以外に潜れる要素が無いため、私はほとんど使用しません。