ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

犬も食わない日韓関係

2019-02-14 14:46:20 | 日記
まるで終わりかけた老夫婦みたいではないか。言動の一つひとつが、いがみ合いの種になる。元徴用工・判決問題、レーダー照射問題と来て、今度は国会議長の「天皇」発言問題である。

報道によれば、韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は12日、アメリカの通信社ブルームバーグのインタビューに答え、旧日本軍の従軍慰安婦問題について「天皇陛下による謝罪で問題が解決する」と述べたという。これに対して日本政府は、謝罪と発言の撤回を求めたというが、一体この発言の何が問題だったのか。

日本政府の反応は荒々しい。安倍首相は、「議長の発言は甚だしく不適切で、極めて遺憾である旨、強く抗議し、謝罪と撤回を求めた」と述べたという。また河野外相は「到底受け入れられるようなものではない。極めて無礼な発言だ」と述べたらしいが、文議長の発言のどこが「不適切」で、「極めて無礼」だったのか、両氏とも明らかにしていない。

恐れ多くも、陛下に「頭を下げよ」と言ったことが問題なのだろうか。文議長は、陛下を「戦争犯罪の主犯の息子」だとも言ったというが、このことも問題なのだろうか。

言うまでもなく、天皇は日本国の象徴である。そのような存在である天皇が元従軍慰安婦たちに謝罪すれば、それは、彼女たちに対する日本国の謝罪を解りやすく、シンボリックに表現するものであり、その訴求効果は絶大だと言えるだろう。文議長もそう言いたかったのではないか。

文議長が天皇を今上天皇を「戦争犯罪の主犯の息子」と断じたことは、たしかに問題である。先代の天皇が先の戦争の「主犯」だったかどうかは歴史認識に関わる問題であり、この認識が妥当であるかどうかには、まだ決着がついていない。評価が定まらない一面的な私的見解を、メディア絡みの公の場で語るのは、公人にはあるまじき軽率なふるまいだと言わなければならない。

けれども、たかがそれだけのことで日韓関係が破綻を来(きた)すとしたら、両国の関係は所詮それだけのものだったということである。

夫婦喧嘩は犬も食わない。積年の恨みつらみのなせる業とはいえ、この泥沼バトルは、賞味期限が切れた雑炊みたいで、天邪鬼爺も、とても食う気になれないんだよね。

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