ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

核なき未来、いかに

2016-04-12 15:40:03 | 日記
このほど先進7か国(G7)が、広島市で外相会合を開き、

核軍縮・不拡散を推進する共同文書「広島宣言」を採択した。

新聞各紙はこれをうけて、社説で核軍縮をテーマに取り上げている。

「広島外相会合 核なき未来への一歩に」(朝日)、

「G7広島会合 核廃絶への歩み加速を」(同前)、

「広島宣言を核廃絶に生かそう」(読売)、

「G7核軍縮宣言 広島からの発信を力に」(毎日)、

こういったタイトルからも分かるように、

各紙の論調はほぼ一致しているが、

その主張の方向性にはかなりの隔たりがある。

また、今回の外相会合は「核なき未来へ」というテーマの他に、

ヒロシマが投げかける独自の問題、

「核兵器を初めて使ったアメリカの罪深さの如何」という問題も背負っている。

この問題にふれた社説もあるが、

テーマが拡散してしまってはいけないので、今回はこの問題はあえて取り上げない。

さて、これを機に「核なき未来」を実現しようではないか、

との各紙の呼びかけであるが、

この呼びかけがアピールとしての有効性を持つとは、

執筆した本人も、読者も、だれも思っていないだろう。

一方には、核廃絶を妨げる強固な現実、――無視できない国際政治の現状がある。

産経が書くように、

北朝鮮は先ごろ、大陸間弾道ミサイルのエンジン噴射実験に成功したとして、

米本土を核による「攻撃圏内」に収めたと宣伝した。

また、アメリカ、ロシアに次ぐ核大国の中国は、核拡散防止条約(NPT)が認めた核兵器国で唯一、

核弾頭を増やすなど核戦力増強に邁進(まいしん)している。

日本を核攻撃できる準中距離弾道ミサイルを多数保有し、

昨年9月の天安門広場での軍事パレードでは、水爆を搭載できる弾道ミサイルを次々と行進させた。

ロシアの動向も無視できない。

ロシアのプーチン大統領は、クリミア併合の際、核兵器の使用を準備していた

と公言した。ロシア軍は極東でも核兵器使用を想定した演習をしている。

これら近隣諸国の核兵器は、目を背けることができない現実の脅威である。

こうした現実の脅威に向き合いながら、核廃絶を

進めるには、どうすればよいのか。

「核保有国の人々には考えてもらいたい。

どうすれば被爆地が願う「核兵器のない世界」は近づくか」

と朝日は書くが、核保有国の一般人民はおろか、

核保有国のトップリーダーが考えても、

おいそれとこの問題は解けないだろう。

「核なき未来」は永遠に「未来」のままで、

いつまでも「現在」にはならないのかもしれないのだ。

(つづく)
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