「自民党総裁選 政策検証」というタイトルで始まった朝日新聞のシリーズは、自民党総裁選の候補者たちがテーマごとのイシューに関して、どういう政策信条を持っているかを検証しようとする企画である。
第2回の火曜日は、「少子化対策、財源どこから」がテーマだった。
【石破茂氏】
「『社会保障全般を見直し、安心していただける年金、医療、介護、子育てを確立する』と言及。」
【河野太郎氏】
「『子育てサービスのオンライン手続きの一元化』を掲げる。」
え?たったこれだけ? そう、「自民党総裁選 政策検証」という企画の趣旨に合致する記事は、たったこれだけである。あとは、「少子化対策」がいかに岸田内閣の眼目だったか、その財源をどこからひねり出すか、それがいかにこの内閣のアポリアだったかを示すことに記事の大半が注がれている。こんな具合だ。
「『待ったなしの少子化に対応するために、3・6兆円の大規模な少子化対策を実行する』――。岸田文雄首相は8月、自民党総裁選への不出馬を表明した会見で、実績の一つに少子化対策をあげて胸を張った。『大きな成果を上げることができたと自負している』
(中略)
だが、政権が進めてきた少子化対策の財源確保は道半ばだ。
(中略)
少子化対策をめぐり、政府は30年代初頭までに関連予算を倍増する方針も示しているが、裏打ちとなる財源はゼロ。岸田政権はこれまで、少子化対策について『増税』を封印してきたが、さらなる負担増となれば増税議論も避けて通れない。」
(朝日新聞9月3日)
次期自民党総裁(=首相)をめざす候補者にとって、「少子化対策」は避けて通れない喫緊の課題である。そしてこの課題に向き合うとき、彼らには「財源はどこから」という難問が待ち受けている。
候補者たちはこの問題にどう向き合うのか。今のところこの問題に触れたのが石破氏と河野氏の二人だけであること、その彼らの問題意識がスカスカであること見せつけられると、我が国はこの先どうなってしまうのかと、心配は尽きない。
問題は石破、河野の両氏だけではない。もう一人の候補者である茂木敏充氏は、与党の幹事長として、少子化対策にまつわる財源問題の難しさを散々思い知らされたはずだが、出馬に当たって記者会見し、「『実行力のある安定した政権で『増税ゼロ』の政策推進を実行したい』」と述べたという。
この人は「『増税ゼロ』は限りなく不可能に近い」ということを知っていて嘘をついているのか、それとも「『増税ゼロ』は限りなく不可能に近い」という事実認識そのものを忘れてしまったのか、ーーいずれにしても「私には与党の総裁になる資格、能力が欠けています。私を総裁にしないでください」と言っているようなものだ。
この他、候補者には小林鷹之氏、高市早苗氏、小泉進次郎氏などがいるが、彼らが今後の出馬会見でこの「少子化対策、財源どこから」のテーマにどう答えるのか、私はぜひ聞きたいと思っている。
第2回の火曜日は、「少子化対策、財源どこから」がテーマだった。
【石破茂氏】
「『社会保障全般を見直し、安心していただける年金、医療、介護、子育てを確立する』と言及。」
【河野太郎氏】
「『子育てサービスのオンライン手続きの一元化』を掲げる。」
え?たったこれだけ? そう、「自民党総裁選 政策検証」という企画の趣旨に合致する記事は、たったこれだけである。あとは、「少子化対策」がいかに岸田内閣の眼目だったか、その財源をどこからひねり出すか、それがいかにこの内閣のアポリアだったかを示すことに記事の大半が注がれている。こんな具合だ。
「『待ったなしの少子化に対応するために、3・6兆円の大規模な少子化対策を実行する』――。岸田文雄首相は8月、自民党総裁選への不出馬を表明した会見で、実績の一つに少子化対策をあげて胸を張った。『大きな成果を上げることができたと自負している』
(中略)
だが、政権が進めてきた少子化対策の財源確保は道半ばだ。
(中略)
少子化対策をめぐり、政府は30年代初頭までに関連予算を倍増する方針も示しているが、裏打ちとなる財源はゼロ。岸田政権はこれまで、少子化対策について『増税』を封印してきたが、さらなる負担増となれば増税議論も避けて通れない。」
(朝日新聞9月3日)
次期自民党総裁(=首相)をめざす候補者にとって、「少子化対策」は避けて通れない喫緊の課題である。そしてこの課題に向き合うとき、彼らには「財源はどこから」という難問が待ち受けている。
候補者たちはこの問題にどう向き合うのか。今のところこの問題に触れたのが石破氏と河野氏の二人だけであること、その彼らの問題意識がスカスカであること見せつけられると、我が国はこの先どうなってしまうのかと、心配は尽きない。
問題は石破、河野の両氏だけではない。もう一人の候補者である茂木敏充氏は、与党の幹事長として、少子化対策にまつわる財源問題の難しさを散々思い知らされたはずだが、出馬に当たって記者会見し、「『実行力のある安定した政権で『増税ゼロ』の政策推進を実行したい』」と述べたという。
この人は「『増税ゼロ』は限りなく不可能に近い」ということを知っていて嘘をついているのか、それとも「『増税ゼロ』は限りなく不可能に近い」という事実認識そのものを忘れてしまったのか、ーーいずれにしても「私には与党の総裁になる資格、能力が欠けています。私を総裁にしないでください」と言っているようなものだ。
この他、候補者には小林鷹之氏、高市早苗氏、小泉進次郎氏などがいるが、彼らが今後の出馬会見でこの「少子化対策、財源どこから」のテーマにどう答えるのか、私はぜひ聞きたいと思っている。
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