ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

核軍縮論を考える

2018-02-08 11:34:52 | 日記
核兵器の問題は難しい。今の日本で、治安を担う警察権力が存在しない状態を
考えてみよう。ヤクザが毎日、我が物顔でふるまっている。文句を言おうもの
なら、「なんだ、てめえ!」と刃物を振りかざす。それでもなお立ち向かおう
とすれば、その刃物でズブリと腸(はらわた)を突いてくる。命を守るために
は、こちら側にも刃物の備えが必要になる。「刃物はいけません。野蛮です。
あなただって、むかし刃物で刺されたことがあるから、刃物で闘うのがいかに
残酷なことか、愚かなことか、よく分かっているでしょう。もう忘れてしまっ
たのですか!」

こんな愉しの言葉は、刃物による自衛を私に思い止まらせる力にはならないだ
ろう。刃物で対抗しなければ、またしても痛い目を見るだけ。下手をすれば命
を落とすことにもなりかねない。刃物を持たない(持てない)とすれば、より
強力な刃物を持つ近所の親分さんに頼るしかない。

朝日新聞はきのう《核戦略と日本 これが被爆国の談話か》と題した社説をか
かげ、こう書いている。
「これが世界唯一の戦争被爆国である日本政府のとるべき態度か。米国の核軍
拡に追従する姿勢からは、「核なき世界」をめざす意思の片鱗(へんりん)も
見えない。」

警察権力が存在しない世界では、「刃物なき世界」は非現実的な理念にとどま
り、現実には徹頭徹尾成り立たないという現実。この現実を、朝日はどう考え
ているのだろうか。
「国連があるではないか」と言う人がいるかもしれないが、その国連は、各国
を統治する上位の世界政府としては機能していない。警察機関に当たる安保理
事会は、常任理事国の拒否権の行使によって、警察機関としての機能を完全に
失ってしまっている。

「核の非人道性を身をもって知る国として、日本には世界の核軍縮を率先する
使命がある。なのに、対米同盟の狭い枠内でしか核問題を考えていないのが今
の日本政府の姿だ。」

朝日はこう書くが、核軍縮・核廃絶を実現するには、つまり、刃物が使われな
いようにするには、強大な権力を持つ超・国家的な世界政府を作るしかない。
それが核廃絶と同じくらい非現実的であるとすれば、核を持たない(持てな
い)日本は、核を持つ同盟国の核抑止力に頼って、つまり「核の傘」によっ
て、自衛をはかるしか生き残る道はないのではないか。

核の問題に対する朝日のスタンスは、ちっとも変わらない。これに対する私の
感想も、まったく変わらない。困ったものだ。
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