ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

台湾有事と日本有事

2024-05-30 09:49:59 | 日記
「台湾有事は日本有事」とする見方がある。台湾有事の可能性が現実のものになりつつある今、この見方の意味を考えてみることもあながち無駄にはならないだろう。

台湾有事は、一体なぜ日本有事なのか。台湾有事はいかにして日本有事につながるのか。

この問いについて考えるために、今、中国が台湾への軍事侵攻を実行しようとしていると想定してみよう。中国軍はどう動くのか。

軍隊というものは作戦を遂行する際、最もシビアな事態を想定して動く。中国軍が念頭におくのは、当然、「米軍が介入する可能性」である。その際、中国軍は「米軍を攻撃すれば、自衛隊が米軍を支援し、自衛隊が反撃する可能性がある」と予想するから、当然、自衛隊も中国軍の攻撃の対象になる。

こうして日本有事は、必然的に台湾有事に組み込まれることになるのだが、台湾有事と日本有事との関係をもっと具体的に考えるとき、注目されるのは、「バシー海峡の重要性」である。
それは、この海峡が日本にとっての「チョークポイント」になるからだという。

どういうことか。

日本へ運ばれる石油などのエネルギーの9割は、バシー海峡を通る。この海域が封鎖されれば、シーレーン(海上交通路)は混乱し、タンカーやコンテナ船は太平洋などの迂回(うかい)ルートを通らざるを得ない。その意味で、この海峡は日本にとって存亡の鍵になるのだが、こうした場所を、地政学では「チョークポイント」というのだそうだ。「交易や軍事の要衝」の謂である。

台湾有事と、このこと(バシー海峡の重要性)が不可分であるのは、この海峡が台湾にとっても「チョークポイント」となるため、中国軍の封鎖の対象になる可能性が高いからである。

きのうの朝日新聞は、次のように伝えている。


その海域(バシー海峡)を巻き込んで、中国軍は5月23日から軍事演習を実施した。台湾を取り囲むように設定した演習区域5カ所のうち、2カ所はバシー海峡をはさんだ海域だった。専門家は、台湾を封鎖する能力を示すものだとの見方で一致する。
(朝日新聞5月29日)

台湾侵攻を企てる中国は、明らかに「バシー海峡の重要性」を念頭において作戦を遂行しようとしている。バシー海峡は台湾だけでなく、日本にとっても存亡の鍵をにぎる重要な「チョークポイント」であるから、この要衝をめぐる自衛隊と中国軍との攻防は熾烈なものになるだろう。

そんな戦いなどできれば避けたいと思うのが人情だが、この海峡は日本にとっての存亡の鍵になるから、それを避けることはできないのだ。

台湾侵攻などというトンデモな野望をいだく中国には困ったものだ。やれやれ。

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