ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

缶詰の中を覗く――この制度の二面性

2015-12-24 11:38:39 | 日記
マイナンバー制度は「缶詰製造機」である。

そう捉えるのが妥当だとすれば、

この制度が「プライバシーを侵害するものだ」

として批判の対象になるのも、

もっともなことだと言えるだろう。

缶詰の中を覗ける、

そういう人がいるとすれば、その人は

個々人のプライバシーを、

いとも簡単に覗けてしまうからである。

残念ながら、そういう人がいることは否定できない。

たとえば、地方自治体の、住民課のお役人である。

彼がパソコンの端末を使ってデータを見れば、

市民の一人ひとりがどこに住み、

どのような家族の一員であるかは

一目瞭然である。

税務署のお役人だって同様である。

彼がデータを調べれば、

国民の一人ひとりがどこの職場に所属しているか、

兼業をしていないか、

税金逃れをしていないかは、

一目瞭然である。

こうしてマイナンバー制度は、

担当部署の調査官が

実地調査をすることもなく、

机の上でパソコンを覗くだけで、

個々人のプライバシーを把握することを、

やすやすと可能にしてしまうのである。

マイナンバー制度という缶詰製造機は、

個々人のプライバシーを一般人の目から遠ざけ、

隠蔽するのだが、それと同時に、

反面では、

特定のお役人が個々人のプライバシーを覗き見し、

把握し、侵害するのを手助けする、

危険な制度であると言えるだろう。

弁護士・市民の訴訟グループが問題にしているのは、

この半分の側面、後半の側面である。

            (つづく)
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