「正義はなされよ、たとえ世界は滅ぶとも」という(西洋由来の)格言がある。岸田首相は、この格言に従おうとしたのだろうか。
きょうの朝日新聞は、次のように伝えている。
「首相は首相官邸で公明の山口那津男代表と会談。政治資金パーティー券購入者の公開基準額について、自民案の『10万円超』から、公明が求める『5万円超』へ引き下げる意向を伝えた。会談後、山口氏は『我々の考え方がほぼ実現する見通しが立ったことを多としたい。大きな決断を示してもらった』と記者団に語った。
首相は、維新の馬場伸幸代表とも会談。現在は公開義務のない政策活動費について、大まかな項目で使途を公開する自民案に加え、維新が要求する『10年後の領収書公開』を盛り込む方向で合意した。馬場氏も記者団に、賛成する考えを示した。」
(朝日新聞6月1日)
岸田首相は、大胆とも奇策ともいえる意外な挙に出たといえるだろう。公明も維新も頑として節を曲げないと見るや、首相は、両党の主張をなんと丸呑みしたのである。
「我が党は、御党の主張を盛り込む形で改正案を修正し、これを今国会に提出する。だから御党はこの改正案に賛成していただけないだろうか。」
そんなふうに言い寄られれば、公明の山口代表も、維新の馬場代表も、首相の要求を無下にはねつけることはできなくなる。
これは、自民党のメンツを保つためなら、最上の奇策といえるかもしれない。
しかし、そうではない。公明、維新の主張をーーとりわけ公明の「5万円超」の主張を盛り込めば、自民の改正案は墓穴を掘ることになるからである。
きょうの朝日新聞には、自民党議員のこんなボヤキが紹介されている。
「これまで(パー券を)買ってくれた企業の経営者が5万円しか買わなくなる。年間数百万円の減収だ」。
なるほど、「個々の議員にとってパーティー収入は命綱」なのだ。
公明、維新の主張を盛り込んだ規制法改正法案が施行されれば、自民党は命綱を絶たれ、確実に滅びる。
「正義はなされよ、たとえ自民は滅ぶとも」ということなのだろうか。
どうやらそうではなさそうだ。
朝日の記事に、こんな件(くだり)がある。
「首相の絶対防衛ラインは、『今国会中の改正規正法の成立』だった。首相は麻生氏に何度も電話で『法案が通らなかったら政権が終わってしまいます』と理解を求めた」
岸田首相が何としても改正規制法を成立させようとしているのは、そうしないと政権が終わってしまうからである。首相は政権を終わらせないために、改正規制法を成立させようとしているのだ。
「政権は生き延びよ、たとえ自民は滅ぶとも」ということなのである。
もっとも、墓穴を掘るような改正規制法を提出する岸田氏は、自民党員から総スカンを食い、次期自民党総裁には選ばれないだろう。
自民党総裁に選ばれないということは、首相への道を絶たれることを意味する。
いずれにしても岸田政権は終りを迎えるのである。この皮肉に気づかないところが、岸田氏の「らしさ」である。
きょうの朝日新聞は、次のように伝えている。
「首相は首相官邸で公明の山口那津男代表と会談。政治資金パーティー券購入者の公開基準額について、自民案の『10万円超』から、公明が求める『5万円超』へ引き下げる意向を伝えた。会談後、山口氏は『我々の考え方がほぼ実現する見通しが立ったことを多としたい。大きな決断を示してもらった』と記者団に語った。
首相は、維新の馬場伸幸代表とも会談。現在は公開義務のない政策活動費について、大まかな項目で使途を公開する自民案に加え、維新が要求する『10年後の領収書公開』を盛り込む方向で合意した。馬場氏も記者団に、賛成する考えを示した。」
(朝日新聞6月1日)
岸田首相は、大胆とも奇策ともいえる意外な挙に出たといえるだろう。公明も維新も頑として節を曲げないと見るや、首相は、両党の主張をなんと丸呑みしたのである。
「我が党は、御党の主張を盛り込む形で改正案を修正し、これを今国会に提出する。だから御党はこの改正案に賛成していただけないだろうか。」
そんなふうに言い寄られれば、公明の山口代表も、維新の馬場代表も、首相の要求を無下にはねつけることはできなくなる。
これは、自民党のメンツを保つためなら、最上の奇策といえるかもしれない。
しかし、そうではない。公明、維新の主張をーーとりわけ公明の「5万円超」の主張を盛り込めば、自民の改正案は墓穴を掘ることになるからである。
きょうの朝日新聞には、自民党議員のこんなボヤキが紹介されている。
「これまで(パー券を)買ってくれた企業の経営者が5万円しか買わなくなる。年間数百万円の減収だ」。
なるほど、「個々の議員にとってパーティー収入は命綱」なのだ。
公明、維新の主張を盛り込んだ規制法改正法案が施行されれば、自民党は命綱を絶たれ、確実に滅びる。
「正義はなされよ、たとえ自民は滅ぶとも」ということなのだろうか。
どうやらそうではなさそうだ。
朝日の記事に、こんな件(くだり)がある。
「首相の絶対防衛ラインは、『今国会中の改正規正法の成立』だった。首相は麻生氏に何度も電話で『法案が通らなかったら政権が終わってしまいます』と理解を求めた」
岸田首相が何としても改正規制法を成立させようとしているのは、そうしないと政権が終わってしまうからである。首相は政権を終わらせないために、改正規制法を成立させようとしているのだ。
「政権は生き延びよ、たとえ自民は滅ぶとも」ということなのである。
もっとも、墓穴を掘るような改正規制法を提出する岸田氏は、自民党員から総スカンを食い、次期自民党総裁には選ばれないだろう。
自民党総裁に選ばれないということは、首相への道を絶たれることを意味する。
いずれにしても岸田政権は終りを迎えるのである。この皮肉に気づかないところが、岸田氏の「らしさ」である。
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