ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

蓋の中の臭いもの

2016-12-29 10:43:55 | 日記
きのう行われた安倍首相の真珠湾訪問を、各新聞はきょうになって
やっと社説で取りあげた。きのうのブログで、私はこう書いた。
「「平和」という美名の蓋で「臭いものに蓋」とは、安倍さんも日本
の外務省も、うまいことを考えたものだ」と。
政府をヨイショする新聞が取ったのも、同じ戦略である。もっとも新
聞が用いた「美名の蓋」は、「和解」であり、「不戦の誓い」である。

どの新聞とは言わないが(言うまでもないから)、興味深いのは、朝
日新聞が、そうした「美名の蓋」を用いて政府や政府系新聞が覆い隠
そうとする「臭いもの」に、焦点を当てようとしていることである。
朝日の社説《真珠湾訪問 「戦後」は終わらない》によれば、美名の
蓋によって安倍首相が覆い隠そうとする「臭いもの」は、戦争という
歴史的過去であり、また、日本軍が東南アジア諸国に対して数々の侵
略行為を行ったという歴史的事実にほかならない。「「和解」や「未
来」といった心地よい言葉で過去を覆い隠していいはずがない」とコ
ラム「天声人語」は述べるが、これは社説の主張でもあるだろう。社
説はやや長く、こう述べている。
「未来志向は、過去を乗り越える不断の努力のうえに成り立つ。日米
の首脳がともに世界に語りかける絶好の機会に、先の戦争をどう総括
するか、日本のリーダーとして発信しなかったことは残念でならない。」

朝日はこの他にも、日米同盟を「希望の同盟」と呼び、その絆を強固
にすることの意義を強調する安倍首相が、沖縄県の反対を押し切っ
て、基地移設の工事を強行したことに、注意を喚起している。「日米
の「和解」は強調するのに、過重な基地負担にあえぐ沖縄との和解に
は背を向ける。そんな首相の姿勢は、納得できるものではない。」
この社説の言葉には、「瓢箪から駒」の趣きがある。
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