ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

「クロ現」 若者たちの苦境を見よ

2023-02-02 11:32:11 | 日記
私は毎夕、7時頃に食卓に向かい、夕餉を済ませて自室に戻る。NHKの7時のニュースを見るのには誂え向きの時間帯だ。

きのう夕餉を済ませて自室に戻ろうとしのは、ちょうど『クローズアップ現代』が始まる頃だった。「安いニッポンから海外出稼ぎへ」というタイトルを横目に、私は車イスを漕ぎはじめた。「おもしろそうだな」と思ったが、自室に戻る前に、歯をみがき、トイレにも寄らなければならない。それが私の長年のルーチンなのだ。
自室に戻ってテレビをつけたら、『クロ現』はすでに終わりかけていた。歯磨きにしろ、トイレにしろ、我が動作ののろまさ加減には我ながら呆れるばかりだ。

番組の冒頭で紹介されていたのは、ニッポンの若者たちが続々と海外に出稼ぎに行く現実だった。ニッポンでは低賃金のため、いくら頑張っても生活苦から抜け出せない。そこで「海外出稼ぎ」ということになる。今は円安だから、海外で働いたほうが遥かに良い賃金がもらえるというのである。

人生、長く生きていると、何が起こるかわからない。時代の変化をまざまざと見せつけられる。一昔前は東南アジアの若者が日本へ出稼ぎに来るのが通例だったが、今はそういう若者もめっきり減り、人集めもままならないという。

番組を全部見ていない私が言うのもナンだが、これは重大な問題である。今のニッポンの社会問題はある意味、すべてここに凝縮されているといえるのではないか。

例えば、最近世の中を騒がせている広域連続強盗事件の問題がある。ヤバい仕事だと分かっていながら、若者たちが「闇バイト」に群がるのは、普通の仕事では満足に暮らしていけない現実があるからである。先に本ブログで、私は次のように書いた。

「(この種の強盗事件を根絶するには)『闇バイト』に群がる若者たちを撲滅するのが急務だが、これは警察というより、政治家の役割だろう。」(1月28日《ルフィは収監中》)

私がこう書いたのは、若者たちが(経済的に)生きにくい現状を変えるのは、政治家の役割だと思うからである。

もう一つ、少子化対策の問題がある。岸田首相が「異次元の少子化対策を」と息巻くのは、「少子化の一途をたどる現状をこのまま放置すれば、ニッポンはそのうち大変なことになる」という認識があるからだろう。だが、この現状を改善しようと思うなら、岸田首相は、若者たちが直面している低賃金の現状を改め、若者たちが安心して子作りできる経済状況を作り出さなければならない。

いくら頑張っても生活苦から抜け出せず、望みを海外出稼ぎに見出すしかない現状では、若者は(特に若い女性は)ニッポンで子を産み、育てていく自信を持てないだろう。

政権与党の政治家諸君、何とかしろ!

こう言うと、自民党のセンセたちは、こう言い返すに違いない。

「言うは易く行うは難し、なんだよな。なにしろ若者たちに賃金を支払うのは我々ではなく、企業の経営者なのだから」。

そんなことはわかっている。でもグズグズしていると、そのうち暴動が、下手をすると革命が、きっと起こりますぜ。
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