ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

極右の台頭に思う

2024-07-01 14:16:08 | 日記
きのうNHKの「ニュース7」で次のニュースを聞いた。

マクロン大統領は6月上旬に行われたヨーロッパ議会選挙で、みずからが率いる与党連合が自国第1主義や移民規制を掲げる極右政党の国民連合に大敗したことを受けて、国民議会を電撃的に解散しました。
(NHK NEWS WEB 6月30日配信)

ここからわかるのは、極右政党の「国民連合」がフランスの社会を席巻し、マクロンの「与党連合」を追いつめていること、この極右政党が自国第1主義や移民規制を掲げていることである。

だが、そもそも「極右」とは何か。NHKのニュースにはその説明がない。ネットで調べてみた。Wikipedia には

過激な保守主義、超国家主義、権威主義の傾向がある政治思想のスペクトルのことで、しばしば民族主義的傾向も含む

とある。

ここでいう「超国家主義」とは、国家主義を超えるコスモポリタニズムを意味するものではなく、むしろ「ゴリゴリの国家主義」のことだろう。
「ゴリゴリの国家主義」が自国第1主義や移民規制を掲げるのはもっともだが、それにしてもこの「ゴリゴリの国家主義」はなぜ今、フランスの社会で猛威をふるうのか。

このことについて、ネットには納得できる説明が見当たらなかったが、けさ「朝日新聞紙面ビューアー」を開いたら、次の記事がのっていた。

6月上旬の欧州議会選で国内第2党に躍進したドイツの右翼政党『ドイツのための選択肢』(AfD)のアリス・ワイデル共同党首(45)が29日、朝日新聞のインタビューに応じた。
ロシアの全面侵攻を受けるウクライナへのドイツの軍事支援について、『真っ先にやめるべきだ』と要求。(中略)
ウクライナへの軍事支援に反対する理由については、『紛争をエスカレートさせる可能性のあるすべての行動を支持しない』と主張。一方で、『ドイツにはお金がない。ウクライナを財政、物資面で支援し続けることは無責任だ』と指摘し、他国よりドイツに資金を使うべきだと訴えて自国第一主義の姿勢を強調した。

(朝日新聞7月1日)

要するに、ドイツも「ウクライナ支援疲れ」に陥っているということである。ウクライナへの軍事支援がドイツの財政を圧迫し、ドイツ国民を経済的に苦しめている。だから我々(AfD)はウクライナへの軍事支援に反対する、というのである。
ウクライナへの軍事支援はウクライナのためにならず、かえってウクライナとロシアとの紛争をエスカレートさせるだけだ、との(真っ当な)状況判断もある。

人様のことよりもまずは自分が第一、背に腹はかえられない、ーーこの「自分ファースト」の思いは、ドイツだけでなく、またフランスだけでもなく、「ウクライナ支援疲れ」が蔓延するヨーロッパ全体の思想的現状だろう。

きょうの昼、テレビをつけたらNHKが次のように報じていた。

極右政党や連携する勢力の候補者のうち、これまでに40人が当選したのに対し、マクロン大統領率いる与党連合の当選者は4人にとどまっている。
(NHK NEWS WEB 7月1日配信)

まあ、これも「むべなるかな」である。私はこの傾向を悪いこととは思わない。極右の台頭は、言ってみれば時代の然らしめるところなのである。

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